ヴェルサイユ体制とワシントン体制、第１回。
今回は「敗戦国ドイツの処分」について学習します。

ポイントの１つ目は「パリ講和会議」です。
第一次世界大戦の後、新しい国際秩序を決めるための 講和会議 が開かれました。
今回はその内容を勉強していきます。

大戦終了後の1919年1月、 連合国 の首脳が集まり、今後の国際社会をどう変えていくかを話し合う会議が開催されました。これを パリ講和会議 といいます。

パリ講和会議に参加したのは 連合国 、つまり 第一次世界大戦の戦勝国 の代表でした。ここで重要なのは 敗戦国は参加できなかった ということです。

敗戦国に加え、革命によって 社会主義国 となった ソヴィエト=ロシア も、講和会議に招待されませんでした。各国は史上初の社会主義国であるソヴィエト＝ロシアを警戒していたのです。

このように、パリ講和会議には戦争に勝った連合国だけが参加しました。各国の代表は、自分たちに都合の良い世界秩序を作ろうと話し合いを行いました。

パリ講和会議を主導したのは ３人の人物 でした。

１人目はアメリカ大統領 ウッドロー＝ウィルソン です。彼は、自身が発表した 十四カ条の平和原則 にもとづき、理想主義的な主張を展開しました。二度とこのような戦争を繰り返してはいけない、各国は平和維持に努めるべきだ、と主張したのです。

２人目はイギリス首相 ロイド＝ジョージ です。彼はイギリスの戦前の国際的地位を取り戻し、再び世界ナンバーワンの地位に返り咲こうとたくらんでいました。

３人目はフランス首相 クレマンソー です。彼はフランスに多大な被害を与えたドイツに厳しい制裁をくだし、徹底的に弱体化させるべきだと主張しました。

このように、米・英・仏の首脳はそれぞれの主張を掲げてパリ講和会議を主導しました。次のポイントでは、パリ講和会議で決定した 敗戦国ドイツへの処分 について勉強します。