5分で解ける!ヴェルサイユ体制とワシントン体制(第3問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
問題(1)
選択肢①と②を比較しましょう。イラクの位置について、①はア、②はイとなっています。このうちアは西アジア地域(旧オスマン帝国領)ですが、イは アフリカ大陸北部 に位置しています。 エジプト の辺りですね。これはおかしいと判断しましょう。
以上より、正解は ① となります。
問題(2)
第一次世界大戦後のドイツの動きを、①~④の選択肢に触れながら時系列で解説していきます。
敗戦国となったドイツは連合国とヴェルサイユ条約を結び、 a:アルザス・ロレーヌをフランスへ割譲 することになりました。さらにドイツは賠償金支払いの義務を負い、後にその金額は1320億金マルクと決定しました。
1320億金マルクといえば、現在の日本円にして約200兆円です。敗戦国ドイツにこんな大金を支払う余裕はありませんでした。すると、賠償金支払いの不履行を口実に d:フランス・ベルギーのルール占領 が行われました。
アメリカの銀行家ドーズは、アメリカ資本の導入によってドイツの経済を回復するプランを作成し、これが国際会議で採択されることになりました。 b:ドーズ案の採択 です。
ドーズ案が採択されたことで、アメリカがドイツにお金を貸し、ドイツは経済を復興してイギリス・フランスに賠償金を支払い、イギリス・フランスも経済を復興してアメリカに借金を返す、という流れが出来上がりました。
ただしこの流れは世界恐慌の発生によって崩壊しました。アメリカで発生した恐慌は、アメリカからお金を借りているドイツに大打撃を与えたため、アメリカは c:フーヴァー=モラトリアムの実施 によってドイツの金融恐慌を防止しようとしました。
以上から、時系列順の2番目にあたるのはd、4番目はcとなります。正解は ④ です。
この章では ヴェルサイユ体制 と ワシントン体制 について勉強しました。
第一次世界大戦に勝利した連合国は、ドイツとは ヴェルサイユ条約 を結び、その他敗戦国とも別々に講和条約を結びました。
大戦後に発足した 国際連盟 についても勉強しましたね。国際連盟の特徴、特に 連盟が抱えていた欠点 について、しっかり復習してください。
戦後、ヨーロッパを中心に 国際協調 の動きが高まり、 ロカルノ条約・不戦条約・ワシントン海軍軍備制限条約 が結ばれました。1930年には ロンドン軍縮会議 が開かれ、米・英・日の補助艦の保有比率が規定されました。
国際協調の動きについても、締結された条約の名前や会議の内容をしっかり覚えておきましょう。
ヴェルサイユ体制とワシントン体制の問題
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旧オスマン帝国領のうち、イギリスが委任統治を行ったのは イラク・トランスヨルダン・パレスチナ でした。この知識を使えば、選択肢の③と④が誤りだと分かります。 シリア を委任統治下に置いたのは フランス です。