5分でわかる!排外的なアメリカ社会の「裏」の顔
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この動画の要点まとめ
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債務国から債権国へ/大衆消費社会の形成
アメリカでは、ウィルソンの後に3人連続で 共和党出身 の大統領が続きました。共和党は民主党よりも 保守的な政党でした。 新しい改革を嫌い、昔ながらのやり方にこだわった政党だったのです。
そんな共和党が政権を握った時代、大戦前は 債務国 (=借金を抱える国)であったアメリカが、みごと 債権国 (=お金を貸している国)へと変わりました。大戦中、連合国に大量の兵器を輸出し、莫大な利益を得ることに成功したからです。
同じく共和党政権の時代、1920年代のアメリカでは 大量生産・大量消費 の傾向が強まり、 大衆消費社会 が形成されました。ラジオや雑誌で新しい商品が紹介され、人々がこぞって商品を買い求める時代になったのです。現代社会とほぼ同じですね。
白人優位・黒人差別の考え方が登場…
華やかな大衆消費社会が形成される一方、アメリカでは 他民族を差別し追い出そうとする動き が現れました。
1920年代、アメリカ社会の中心階層となった人々を WASP(ワスプ) といいます。WASPとは白人、アングロ=サクソン系、プロテスタントのアメリカ人という意味で、この人たちがアメリカの中・上層階級を形成していました。
次第にアメリカでは、このワスプに該当しない民族をアメリカから排除すべきだという考え方が登場します。
南北戦争後のアメリカでは K・K・K(クー・クラックス・クラン) と呼ばれる反黒人組織が誕生しました。一時期活動を停止していたこの組織が、1920年代に再び登場し、黒人はもちろん中国系や日系などの民族に対する迫害を行ったのです。
1920年には サッコ・ヴァンゼッティ事件 という事件が起きました。2人のイタリア系アナーキスト(無政府主義者)が、証拠不十分のまま 殺人の容疑で死刑にされた という事件です。
2人はイタリア系移民ですので、ワスプではありません。この事件の裏側には、当時のアメリカ社会で蔓延していたワスプ以外の民族への差別意識があったと考えられます。ちなみにこの事件は、アメリカ史上最悪の冤罪事件と言われています。
ワスプ以外への差別は終わらず、1924年には 移民法 が制定され、アジア系の移民が全面禁止されました。
第一次世界大戦後のアメリカは、華やかな発展を遂げる一方で、他民族を差別し排除するという排外的な動きも見られました。しっかり覚えておきましょう。
ポイントの2つ目は「アメリカの繁栄と排外主義」です。
戦後のアメリカ社会は華やかな発展を遂げる一方、 排外的 な性格を強くしていきました。詳しく見ていきましょう。