5分でわかる!ナショナリズムを利用した政治
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この動画の要点まとめ
ポイント
ポイントの1つ目は「ヒトラーの国内政策」です。
前回の授業では、ヒトラーが名実ともにドイツの独裁者となる様子を学習しました。今回の授業では、政権を獲得したヒトラーが、ナショナリズムを利用して政治を行う様子を学習します。
公共事業で失業者を救済!
まずは言葉の確認です。ヒトラーが率いたナチ党、およびその党員や協力者をまとめて ナチス と言います。そして、ヒトラー率いるナチス政権下のドイツを ナチス=ドイツ と言います。
ヒトラーは、様々な政策を通じて国民の支持を集めました。その1つが 経済政策 です。
ヒトラーは、ドイツとオーストリアを結ぶ高速自動車道路網である アウトバーン を建設しました。そして、アウトバーン建設事業を通じて雇用を生み出し、多くの失業者を救済したのです。
また、1930年代後半からは 四カ年計画 とよばれる軍事最優先の生産活動を実施しました。そして、兵器工場の拡大などを通じて雇用を生み出し、多くの失業者に仕事を与えたのです。
このようにヒトラーは、失業者に仕事を与えることで人々の生活を安定させ、国民の支持を集めることに成功したのです。
ナショナリズムの高揚/ユダヤ人の排斥
ヒトラーは、経済政策だけでなく ナショナリズム に訴えることでも国民の支持を得ました。ナショナリズムとは、簡単にいうと 国民や民族の仲間意識 のことです。
ヒトラーはドイツ人の優秀さを主張し、ドイツ人同士が結束することを訴えました。一方で、他民族、特に ユダヤ人 を徹底的に敵視・迫害しました。ユダヤ人を迫害することで、ドイツ人の結束を図ったのです。
ナチス=ドイツは多くのユダヤ人を虐殺しました。これを ホロコースト といいます。各地には ゲットー と呼ばれるユダヤ人居住区や 強制収容所 が設立され、多くのユダヤ人が隔離・収容されました。ナチス=ドイツはユダヤ人を根絶やしにしようとしたのです。
ポーランド南部に現存する アウシュビッツ 強制収容所は、悲惨な歴史を伝える「負の遺産」として、ユネスコ世界遺産に登録されています。
以上、ナチス=ドイツの政策について学習しました。ヒトラーは効果的な経済政策を展開する一方で、ドイツ人のナショナリズムに訴えかけ、膨大な数のユダヤ人を死に追いやったのです。
世界恐慌とファシズム諸国の侵略、第5回。
今回は「ナチス=ドイツの動向」について学習します。