ポイントの2つ目は「ベトナム戦争の経過」です。
アメリカが北爆を開始した後、ベトナム戦争がどのような局面を迎えたのかを学習します。

北爆を開始し、ベトナム戦争への軍事介入を本格化したアメリカは 南ベトナム解放民族戦線 が各地で展開した ゲリラ戦術 に悩まされました。民族戦線の兵士たちは農民の格好をし、アメリカ兵を混乱させたのです。

そんな中、アメリカ軍がベトナムのある村を制圧し、人々を虐殺する様子が報道されたことで、米国内はもちろん世界中で ベトナム反戦運動 が高まりました。アメリカは国際社会の批判を浴びて孤立し、しかも戦争に資金を使いすぎたせいで財政が悪化しました。

そんな中、アメリカのジョンソン大統領が 北爆の部分停止 を表明したことを受け、戦争終結に向けた パリ和平会談 が開催されました。会談には、アメリカ、南北ベトナム政府、南ベトナム解放民族戦線のそれぞれの代表が参加しました。

話し合いが難航する中、アメリカではジョンソンに代わって、ベトナム戦争からの「名誉ある撤退」を掲げる ニクソン が大統領に就任しました。彼は1972年に 中国を訪問 し、中華人民共和国を事実上承認しました。北ベトナムと同じ社会主義国である中国を味方に付け、交渉を優位に進めようとしたのです。

そして1973年、ついに ベトナム（パリ）和平協定 が締結され、米軍はベトナムから撤退しました。

アメリカの支援を受けていた南ベトナムは、米軍撤退後も抵抗を続けました。しかし、南ベトナムの首都 サイゴン が北ベトナム軍に攻略されたことで、南ベトナムは降伏。ベトナム戦争は終結しました。

その後、南北ベトナムは1976年に ベトナム社会主義共和国 として統合されました。1980年代からは ドイモイ（刷新） と呼ばれる政策が展開され、ベトナムは戦後復興と経済成長に向けて歩み出しました。

ベトナム戦争が終結する様子、しっかり覚えておきましょう。