現代文明と各地の紛争、第4回。
今回は「現代の文化と人類の課題」について学習します。

ポイントの1つ目は「20世紀の文化」です。
20世紀という激動の時代を反映する文化を学習していきましょう。

まずは哲学・精神分析の分野で活躍した人物を2人紹介します。1人目はフロイトです。彼は「夢は人の精神状態を表す」と考え、人が無意識に見る「夢」から深層心理を読み解く精神分析学を発展させました。

2人目は哲学の分野で活躍したデューイです。彼は「哲学は実生活で使えないと意味がない！」と主張しプラグマティズム（実用主義）をとなえました。

ちなみに彼は教育学に力を入れ、学校を設立したりしました。みなさんの中で将来教育の道に進もうとしている方がいるなら、大学などでデューイの教育論を勉強することになると思います。

経済学の分野では、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を著したマックス＝ヴェーバーが有名です。彼はこの本の中で、中世ヨーロッパで宗教改革を行ったカルヴァンの考え方（予定説）こそが、現在の資本主義社会が形成される背景になったと主張しています。

続いて文学の分野で活躍した人物を2人紹介します。1人目は『西洋の没落』を著したシュペングラーです。彼はこの本の中で西洋文明が没落していく運命にあると述べ、全ヨーロッパに大きな衝撃を与えました。

2人目は『魔の山』を著したトーマス＝マンです。彼はドイツの作家で、ナチスやファシズムを痛烈に批判。ナチス政権が成立するとアメリカに亡命しました。

絵画の分野ではピカソが「ゲルニカ」を描き、スペイン内戦でドイツ軍が行った空爆への怒りをあらわにしました。

音楽の分野では、アメリカで生まれた黒人音楽ジャズが登場しました。人種差別に苦しむ黒人にとって、ジャズは大切な心の拠り所となりました。そしてジャズは黒人だけでなく、世界中の様々な音楽に影響を与えるようになりました。

2度の世界大戦が発生し、黒人やユダヤ人への人種差別が発生した20世紀。20世紀の文化は、そんな激動の時代をみごとに反映していたのです。