5分でわかる!中央の統治機構
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この動画の要点まとめ
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都のお役所、「二官八省一台五衛府」
中央の統治機構、つまり都に置かれたお役所は、まとめて二官八省一台五衛府と表されます。
それぞれ、どんなことを担当していたのかを見ていきましょう。
二官とは、政治の中心である 神祇官 (じんぎかん)と 太政官 (だじょうかん)です。
神祇官は祭祀(儀式など)を、太政官は政治を司ります。
この太政官の中で、トップの役職は 太政大臣 (だじょうだいじん)と呼ばれます。
太政大臣 の次に偉い順に、左大臣、右大臣、大納言……と続いていきます。このように、太政官は役職によってランク付けがされていました。
ただし、 トップの太政大臣は臨時に置かれる職だったため、太政大臣がいないときは左大臣がトップの役職でした 。
この太政官たちの下に、八省と呼ばれる、政治を行う役所がありました。八省に関しては、この後で詳しく取り上げます。
一台・五衛府は、そこまで重要ではありません。読み方だけしっかり確認しましょう。
一台とは、役人の不正を監視する 弾正台 (ぜんしょうだい)のことです。
五衛府(ごえふ)とは都の警備や防衛を行うところで、衛門府・左衛士府・左兵衛府・右衛士府・右兵衛府のことです。
「八省」が、それぞれどんな仕事をしていたかを押さえよう
太政官 の下に、八省と呼ばれる、それぞれの政治を担当する役所がありました。
大事なポイントは、それぞれの役所が、どういう仕事をしていたのか、ということと関連付けて覚えることです。
特に重要なのは、上の図の右上に書かれた4つの省です。
この4つ、 中務省 (なかつかさしょう)・ 式部省 (しきぶしょう)・ 治部省 (じぶしょう)・ 民部省 (みんぶしょう)から見ていきましょう。
中務省 は、詔勅の起草、つまり天皇の命令作りの原案作りを担当しました。律令制度は、天皇中心の政治を目指すものでしたから、中務省は最も権力のある役所でした。
式部省 は、お役人の人事や教育を担当しました。今で言うと、文部科学省のような場所です。
治部省 は、仏教や外交、大仏や遣唐使などの担当です。
民部省 は、国民の戸籍や、税金の徴収などを担当していました。
残りの4つ、 兵部省 (ひょうぶしょう)・ 刑部省 (ぎょうぶしょう)・ 大蔵省 (おおくらしょう)・ 宮内省 (くないしょう)は、まず名前と文字を覚えましょう。
読んでみると、大体どんなことを担当していたかわかると思います。
兵部省 は、「兵」の字の通り軍事が担当。 刑部省 は「刑」の字の通り裁判や刑罰が担当です。
大蔵省 は、明治時代などでも出てくる役所で、財政担当です。今の「財務省」ですね。
宮内省 は、今でも「宮内庁」があるように、天皇のいる宮中に関する仕事が担当です。
大変ですが、それぞれの役所の名前と職務を、しっかりと覚えましょう。
2つ目のポイントは、 中央の統治機構 です。
中央とは都のこと。藤原京や平城京といった、天皇が治世を行っている場所のことです。
ここでは、律令制度の中心である都の統治を見ていきましょう。