高校日本史B
5分でわかる!金融制度
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この動画の要点まとめ
ポイント
金融制度
これでわかる!
ポイントの解説授業
太政官札で戊辰戦争の戦費調達!
明治政府は、戊辰戦争の戦費調達のため、太政官札という紙幣を発行しました。
これは、金や銀などの貨幣と交換できない不換紙幣でした。そのため、貨幣価値の低下を招き、インフレの原因となりました。
金の不足から、「金銀複本位制」に!
そんな中、1871年に新たな貨幣制度として新貨条例が定められました。ここで、通貨単位として円・銭・厘が採用されることになります。
政府は、この新貨条例で、紙幣と金を交換できる金本位制を確立しようとしましたが、上手くいきませんでした。幕末の貿易において、金銀交換比率の違いにより、金の国外流出が進んでいたことから、国内の金が不足していたためです。
そのため、実際には金だけでなく銀も用いる、金銀複本位制が採用されました。
民間銀行が紙幣を発行!?
1872年には、国立銀行条例が出されました。
これはアメリカのナショナル・バンクにならい、国ではなく、民間銀行が兌換紙幣を発行する制度です。
前述の通り、政府の持つ金が不足していたことから、民間銀行に紙幣の発行を任せたのです。
これにより、渋沢栄一が中心となって、日本初の国立銀行である第一国立銀行が設立されました。
国立銀行条例により設立された銀行は、当初は4行のみでした。しかし、1876年の条例改正で兌換義務が廃止された後は急増し、最終的に153の国立銀行が設立されました。
ただし、兌換義務の廃止は、貨幣価値の低下を招き、やはりインフレをもたらすことになりました。
ちなみに、「国立銀行」という呼称は、「ナショナル・バンク」の和訳によるものです。 「国立」と名がついていますが、民間銀行であることに注意しておきましょう。
明治時代の金融と軍隊・警察に関する制度について見ていきます。
まずは1つめのポイント、金融制度についてです。