３つめのポイント、ロシアとの関係についてです。主に領土問題を見てみます。

江戸末期に結ばれた日露和親条約のおさらいをしましょう。
このとき、北方領土については、千島列島の択捉島以南は日本領、得撫島以北はロシア領とされ、樺太は両国民の雑居地とされていました。
しかし、実際のところ、日本は北海道の開拓で手一杯であり、樺太にはロシア人しか住んでいないような状況でした。

そこで、1875年、政府は榎本武揚を全権として、ロシアと樺太・千島交換条約を結びました。
これにより、樺太をロシア領とする代わりに、得撫島以北を含む千島列島の全島を日本領とすることが決まりました。

ちなみに、榎本武揚は五稜郭の戦いで旧幕府軍を率いた人物ですね。
もともと明治政府に敵対していたわけですが、その優秀さのために政府に役人として登用され、後には大臣にもなります。