高校日本史B
5分でわかる!松方財政の影響
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この動画の要点まとめ
ポイント
松方財政の影響
これでわかる!
ポイントの解説授業
デフレで生活が困窮!自作の没落が進んだ!
結論から述べると、デフレは自作(自分で自分の土地を耕す人々)の生活を困窮させました。
この時代、税金(地租)は金で収めることになっています。つまり自作は収穫した米を売ってお金に換え、税金を納めるわけですね。
さて、デフレで物価が下がると、当然ながら、米の値段も下がります。すると、収穫できた米の量が同じだとしても、お金に換えた時の収入は減少してしまいます。
収入が減っているのに、納めるべき地租は変わりません。こうして、自作の生活は困窮していくことになりました。
自作の中には、生活が立ち行かなくなり、土地を手放して小作農へと没落していく者も増えていきました。
貧富の差の拡大が、資本主義の基盤に!
多くの自作が土地を手放すことになった一方で、裕福な地主はその土地を買い集め、土地の集中が進みました。
地主は小作農から現物小作料を取り、寄生地主制が進行しました。こうして、貧富の差が拡大していったのです。
そして、この貧富の差の拡大は、資本主義の基盤をつくることになりました。
例えば、工場で物を生産することを考えてみましょう。工場を建てるためには、大きな資本と、そこで働く労働者が必要ですね。これが、ちょうど地主と小作農の関係に合致しました。
裕福な地主は工場を造ってますます富み、貧しい小作農は、賃金のためにそこで働くという構図ができ上がったわけです。
これにより、1890年代には、いよいよ日本は産業革命を迎え、急激に経済が発展していくことになります。
松方財政により、デフレ(貨幣価値の上昇、物価の下落)がもたらされたところまでみてきました。
次は、松方財政が世の中に与えた影響を見ていきます。