高校日本史B
5分でわかる!若槻礼次郎内閣① (金融恐慌)
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この動画の要点まとめ
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若槻礼次郎内閣①(金融恐慌)
これでわかる!
ポイントの解説授業
蔵相の失言が倒産の連鎖を引き起こした!
この時代の日本経済は、戦後恐慌に震災恐慌が重なり、不況に喘いでいました。
そこへ、1927年、金融恐慌という新たな恐慌に見舞われることになります。
事の発端は、片岡直温蔵相の失言でした。震災手形、つまり震災後の損失の補填をめぐって、ある銀行を「破綻した」と、誤った発言をしたのです。
銀行に預けたお金が返ってこなくなってはたまりませんから、銀行には預金者が殺到し、取付騒動が発生します。
これにより、銀行の破産や会社の倒産が連鎖的に起こりました。
そして、中でも大きな問題となったのは鈴木商店の倒産と、これに不正融資を行っていて債権を回収できなくなった台湾銀行の休業でした。
台湾銀行は、台湾の支配を行うために設立された特殊銀行です。これが破綻してしまえば、台湾支配に大きな支障をきたすのでした。
勅令案拒否の裏にあった幣原外交への不満!
台湾銀行を破綻させるわけにいかないと考えた若槻内閣は、台湾銀行救済緊急勅令案の承認を得ようとします。
この時、国会は開かれていなかったため、天皇による勅令で台湾銀行を救済しようとしました。
しかし、天皇の最高諮問機関である枢密院がこれを拒否します。
その背景には、中国に対する不干渉の姿勢を取る幣原協調外交に対する不満がありました。
枢密院は、若槻内閣を潰してしまうために、この勅令案を拒否したのです。
これが原因で、若槻内閣は総辞職へ追い込まれることになったのでした。
続いて、若槻内閣の経済の話を見ていきましょう。テーマは金融恐慌です。