続いて、高度経済成長についてまとめてみましょう。

1950年代の半ばから、日本は高度経済成長と呼ばれる急速な経済成長を遂げます。
この間、何度も好景気に恵まれるわけですが、それぞれの好景気に呼称があるので、それを確認しておきましょう。

1950年から1953年、吉田茂内閣の頃、日本は特需景気に見舞われます。
これは、朝鮮戦争による戦争特需がもたらしたものです。

1955年から1957年、鳩山一郎内閣の頃、神武景気と呼ばれる好景気が訪れます。
神武というのは、日本の最初の天皇の名前ですね。
1956年に経済白書に掲載された「もはや戦後ではない」という言葉が有名です。

そして、岸信介内閣の頃には岩戸景気、池田勇人内閣の頃にはオリンピック景気と、それぞれ好景気に恵まれ、最後は佐藤栄作内閣の頃に、いざなぎ景気と呼ばれる好景気が訪れます。
佐藤栄作内閣については次回の講義で詳しく扱いますが、この頃には日本の国内総生産（ＧＮＰ）は西ドイツを抜き、アメリカに次ぐ世界２位にまで達したのでした。

高度経済成長期は、経済発展を続けているため、政権に対する国民の批判も大きくならず、自民党政権が安定して続いていくという時代でした。
それぞれの好景気の呼称については、内閣とセットでおさえておくとよいでしょう。