5分でわかる!経世思想
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この動画の要点まとめ
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幕府を悪の根源と主張!「安藤昌益」
経世思想とは、いわゆる政治経済論です。
江戸時代の学問の発展により、政治経済や外交に関する様々な主張が行われました。
中には、幕政を批判するものも少なくありませんでした。
この分野の筆頭に挙げられるのは、安藤昌益の 『自然真営道』 です。
安藤昌益は、八戸(今の青森県)の医者でした。
安藤は、万人が自ら耕作して生活する自然の世を理想としました。そのため、武士などは農民を搾取する泥棒であり、その中枢である幕府は悪の根源だという考え方をしました。
懐徳堂の門下生「富永仲基」と「山片蟠桃」
富永仲基は『出定後語』、山片蟠桃は『夢の代』を著し、それぞれ儒教や仏教を批判します。
この2人についてのポイントは、懐徳堂の門下生であったという点です。
開国を主張した「本多利明」と「佐藤信淵」
本多利明は 『西域物語』 や 『経世秘策』 を、佐藤信淵(さとうのぶひろ)は 『経済要録』 や 『農政本論』 を著しました。
この2人は、それぞれの立場で開国と貿易を推奨しました。
蝦夷地探検のきっかけ!「赤蝦夷風説考」!
田沼意次の時代、仙台藩医であった工藤平助は 『赤蝦夷風説考』 を著しました。
これは、蝦夷地の開発と、ロシアとの貿易について論じたものです。
『赤蝦夷風説考』がきっかけとなって、実際に最上徳内などが蝦夷地の探検を行うことになります。
海防論で幕政批判!「海国兵談」!
続いて、寛政の改革の頃、林子平は 『海国兵談』 を著します。
これは、ロシアの南下を警告し、海に囲まれた日本の海防論を展開したものです。
同時に、長崎の防備ばかり固め、江戸をはじめとしたその他の海岸防備を疎かにしている幕府を批判し、発禁処分を受けます。
幕府はそうして林子平の主張を聞かなかったわけですが、現実には、間もなくしてロシアからラックスマンがやってきて、幕府は大騒ぎすることになるのでした。
この他、林子平は朝鮮・琉球・蝦夷地の3つの土地の解説書である 『三国通覧図説』 を著しますが、これも発禁処分となります。
今回は、江戸時代の儒学などの学問の発展形、特に江戸時代中期以降の学者について見ていきます。
まずは、経世思想について確認しましょう。