5分でわかる!書き下し文の法則
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この動画の要点まとめ
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ここまで皆さんは「漢文の語順」「返り点」「送り仮名」を学んできました。今日のテーマは 「書き下し文」 です。もともと漢文は中国語なので、漢字だけの文章でした。そこで昔の日本人は、足りない言葉を「送り仮名」として右下につけました。その「漢字」と「送り仮名」を合体させたのが 「書き下し文」 です。
書き下し文とは?
書き下し文とは 「漢文(中国語)を、返り点と送り仮名にしたがって書き下したもの」 です。
漢文は、もともとは昔の中国語です。それを日本語で読むために 返り点 で順序をひっくり返したり 送り仮名 で足りない言葉を補ったりします。返り点の順番にしたがって、送り仮名を付け足し、書き下していった文。これが「書き下し文」です。
書き下し文を作るとき、大きく3つの注意点があります。 「助詞・助動詞」「置き字」「再読文字」 の3つです。こちらを見てください。
以前の授業でも登場した 「温故知新」 の漢文です。上から読んでみましょう。
最初の二文字「子曰」は「曰」に送り仮名「ク」がついているので 「子曰く」 と読みます。次の「温故」は、間に レ点 がありますね。順序をひっくり返して 「故きを温めて」 と読みます。五文字目「而」は 置き字 なので飛ばしましょう。次の「知新」は レ点 にしたがって 「新しきを知らば」 と読みます。右下の 送り仮名 を補いながら読みましょう。
左の行に移ります。 二点 のついた「可(べシ)」は飛ばして 「以て」 を先に読みます。次の「為(たル)」には 一レ点 が付いています。読む順序を覚えていますか?一レ点は レ点を優先 でしたね。「師」から「為」に返って 「師為る」 と読みます。その後 一点から二点に 返って 「可し」 と読みます。最後の「矣」は 置き字 なので読みません。
最後に 書き下し文 を見てみましょう。「子曰く、故きを温めて新しきを知らば、以て師たるべし。」どうでしょう。元の文章と見比べて、気になるところがありませんか?
たとえば置き字。「而」や「矣」は 書き下し文にはありません。 また「可し」は「べし」と 平仮名になっています。 この後のコーナーで、その理由を説明していきます。
高校漢文1章「漢文の基本」。今回は「書き下し文の法則」について学んでいきましょう。