5分でわかる!これだけは押さえよう!
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この動画の要点まとめ
ポイント
書き下し文は、漢字とひらがなで書く!
1つ目のポイントは 書き下し文は、漢字とひらがなで書く! です。下の例文を見てください。
キーフレーズでも取り上げた「温故知新」の文章です。「元の文章」と「書き下し文」を見比べてみてください。一文字目「子」のように、漢文で漢字になっているなら、書き下し文でも基本的に漢字になっています。
漢文では送り仮名を カタカナ で書きますが、書き下し文では ひらがな に直しましょう。「故」の送り仮名「キヲ」も、書き下し文だと 「故きを」 とひらがなになっています。「温めて」も同じですね。書き下し文は、必ず 漢字とひらがな で書きましょう。カタカナは使いません!
助詞・助動詞は、書き下し文に漢字で書かない!
2つ目のポイントは 助詞・助動詞は、書き下し文に漢字で書かない! です。漢字で書かない、つまり ひらがなで書く ということです。下の例文を見てください。
返り点に従って読むと「浮→生ハ→夢ノ→若(ごと)シ」となります。最後の「若(ごとシ)」は 助動詞 です。助動詞には ず・しむ・る・らる・なり・べし・ごとし などの種類があります。
書き下し文を見ると「ごとし」と ひらがな になっていますね。これを漢字で 「若し」と書いてしまうと間違いです! 助動詞にあたる言葉は ひらがなで書く。 これを忘れないようにしましょう。
また、助動詞だけでなく 助詞 もひらがなで書く決まりになっています。助詞には の・か・や・より・と・かな・は・のみ などの種類があります。
例えば「之」を 「の」 と読むときや、「耳」を 「のみ」 と読むときは ひらがな で書きます。漢字で書かないように注意しましょう!
置き字は書き下し文に書かない!
3つ目のポイントは 置き字は書き下し文に書かない! です。置き字とは「而」など 読まずに飛ばす漢字 のこと。下の例文を見てください。
順番通り読むと「過ちを→観て→斯(ここ)に→仁を→知る」となります。最後の「矣」は 置き字 なので読みません。
書き下し文を見てみましょう。「過ちを観て斯に仁を知る。」となっています。「矣」は置き字なので、書き下し文にはありませんね。このように 置き字は書き下し文でも書かずに飛ばす ようにしてください。
以上、3つのポイントでした。下の図でおさらいしておきましょう。
①書き下し文は、漢字とひらがなで書きましょう。
②助詞・助動詞は漢字で書いてはいけません。ひらがなで書きましょう。
③置き字は、書き下し文に書かないでください。
3つのポイント、おさえられましたか?おさえられたら、この後に説明する 発展ポイント に進んでください。
書き下し文の発展ポイント「再読文字」
書き下し文を作るとき、注意すべきポイントとして「助詞・助動詞」「置き字」を説明してきました。最後に、もう一つ注意してほしいのが 「再読文字」 です。
詳しくは「再読文字」の授業で取り上げますが、簡単に言うと 「2回読む漢字」 が再読文字です。漢文では 漢字を1回ずつ読む のが基本ですが、再読文字は 2回 読まなければいけません。
再読文字を書き下すときのポイントは 再読文字の2回目の読みは漢字で書かない! です。下の例文で具体的に説明します。
一文字目の 「当」 が再読文字です。書き下し文を見ると「当(まさ)に」と「べし」で 「当」が2回読まれている のがわかりますね。
そして「当に勉強す べし 」と、「当」を2回目に読むときの「べし」は ひらがな で書いてあります。 「当し」と漢字で書いてしまうと間違い なので、注意しましょう。
再読文字の2回目は ひらがなで書いてあげる。 もう一つ例文を見てみましょう。
一文字目の 「未」 が再読文字です。1回目は「未(いま)だ」と読み、2回目は「ず」と読みます。文全体では「未→勉→強→未」という順番で読みます。
書き下し文は「未だ勉強せず。」2回目の「未(ず)」が、漢字ではなく ひらがな になっているのがわかりますね。 「未」と漢字で書いてはいけません。 気をつけましょう。
2回目に読むときにひらがなで書く理由は 助動詞だから。 先ほど取り上げた例文では 「べし」も「ず」も助動詞 です。なので、基本のポイントのとおり 助動詞はひらがなで書く というわけです。
以上、書き下し文のポイント3つと 再読文字 に関連する発展ポイントをお伝えしました。次のコーナーでは練習問題に挑戦します!
「これだけはおさえよう!」のコーナーです。書き下し文の法則について 3つのポイント をお伝えします。ポイントをマスターして、漢文をばっちり書き下せるようになりましょう!