「これだけはおさえよう！」のコーナーです。再読文字「将」「且」について 重要ポイント をお伝えします。まずはその前に、読み方と意味を確認しましょう。

「将」「且」の読み方と意味について、もう一度確認しましょう。読み方は 「まさに～んとす」 。「まさに」と「す」で２回読みます。「～んと」は、直前の文字の 送り仮名 に加えるんでしたね。

意味は 「これから～しようとする」「今にも～しそうだ」 でしたね。読み方と意味をふまえて、文を読む練習をしてみましょう。

「将」「且」の１回目は 返らずに 「まさに」と読み、２回目は 返り点にしたがって 「す」と読みます。２回目の直前には送り仮名「～ント」を加えます。意味は「これから～しようとする」「今にも～しそうだ」です。これをふまえて読んでみましょう。

まずは右の「将来」という文。
１字目の「将」は「まさに」と読みます。そして返り点に注目しましょう。POINTでは一二点が使われていましたが、この文では１字だけ返るのでレ点が使われています。そして２回目は「～す」と読むんでしたね。２回目の直前は 「～んと」 と読まなければいけません。なので「来」は 「来（きた）らんと」 という読みになっています。

真ん中の「将知」も同じです。
１回目は返らずに「まさに」と読みます。２回目は返ってから読むんでしたね。ここでは１字返るので、レ点で返ってから「す」と読みます。直前には送り仮名「～んと」をつけて 「知らんと」 となっていますね。

最後に左の「且飲酒」も読んでみましょう。
「且」は 「将」とまったく同じ読み・意味 でしたね。１回目は返らずに「まさに」と読みます。２回目は返り点をつけて「す」と読みましょう。２回目の直前には送り仮名「～んと」をつけるので「飲」は 「飲まんと」 となっています。

意味は「これから～しようとする」「今にも～しそうだ」です。まだ事は起きていないけれども、これから何かをしようか、これから何かが起きそうだ、という意味でしたね。

ここで注意したいポイントがあります。例えば「将来」という文の「来」という字。ふつうは「来（きた）る」と 終止形 で読みますが、ここでは「 来ら んとす」という形になっていますね。なぜ「来る」が「来ら」になっているのでしょうか？ここが大切なポイントです！

再読文字「将」「且」の重要なポイントは 「～んとす」の直前は未然形！ です。前回学んだ「未」を読むときと一緒ですね。先ほどの３つの例文で登場した動詞について、活用表を確認してみましょう。

右から確認しましょう。まずは「将来」の「来る」という動詞です。
「来る」は四段活用で、未然形だと 「来ら」 となります。なので「～んとす」の前では 未然形 になり 「来らんと」 という形になります。最初から読むと「将に来らんとす」。意味は「これから来ようとする」「今にも来そうだ」となりますね。

次の「将知」についても確認しましょう。
「知」の終止形は「知る」ですが、例文では「知らんと」と読んでいます。 「～んとす」の直前は未然形 でしたね。活用表を見ると「知る」の未然形は 「知ら」 ですね。全体では「将に知らんとす」と読みます。意味は「これから知ろうとする」「今にも知りそうだ」となります。

最後に「飲む」も確認しましょう。
終止形は「飲む」ですが、例文では「飲まんと」と読んでいます。 「～んとす」の直前は未然形 でしたね。「飲む」の活用表を見ると、未然形は 「飲ま」 ですね。「～んとす」の直前は未然形、というポイントの通りです。書き下し文は「将に酒を飲まんとす」。意味は「これから酒を飲もうとする」「今にも酒を飲みそうだ」となります。

以上、「将」「且」の読み方と意味、そして重要ポイント 「～んとす」の直前は未然形！ についてお伝えしました。これらをふまえて練習問題に挑戦しましょう！