高校漢文２章「再読文字」。今回は「盍」について学んでいきましょう。

漢文では、ふつう漢字は１回しか読みません。ですが、漢字の中には ２回読む ものがあります。これを「再び読む文字」と書いて 「再読文字」 と呼びます。

この章では、全部で９種類の再読文字を紹介します。前回までで８つの再読文字を学びました。今回は最後の再読文字「盍」について学んでいきましょう。

みなさんは、世の中に対して、いろいろな疑問を持つことがあると思います。この疑問の気持ちを表すのが「盍」という字です。くさかんむりのついた「蓋」とは違う字なので気をつけましょう。それではPOINTを見てください。

「盍」の読み方は 「なんゾ～ざル」 です。再読文字なので２回読みます。

１回目は 返り点を無視して「なんゾ」 と読みます。送り仮名は「ゾ」です。
２回目は返り点の通り 返ってきてから 、助動詞として 「ざル」 と読みます。

意味は疑問を表します。 「どうして～しないのか」 というように訳してください。

もう一度確認します。読み方は 「なんぞ～ざる」 。意味は 「どうして～しないのか」 。ここで「盍」を使ったキーフレーズを見てみましょう。

１文字目にさっそく再読文字「盍」がありますね。
１回目は右側で 返り点を無視して「なんぞ」 と読みます。
２回目は左側で 返り点にしたがって「ざる」 と読みます。
ここでは三点が使われていますね。意味は 「どうして～しないのか」 です。

それでは書き下していきましょう。
まず１回目の「盍」を読みます。その下は三点がありますね。一点の漢字まで読んだら、二点、三点と返って読みましょう。
ちなみに「各」は「おのおの」、「爾」は「なんじ」と読みます。「なんじ」は「お前」という意味ですね。
書き下し文は 「盍ぞ各爾の志を言わざる。」 となります。２回目の「盍」は再読文字の２回目なので、必ず ひらがなで「ざる」 と書きましょう！

「盍」の意味は 「どうして～しないのか」 でしたね。訳は 「どうしてそれぞれお前たちの志を言わないのか。」 となります。「志」は「こころざし」です。「なんで言わないの？言おうよ！」というニュアンスになります。

一人で考え込んでいても、それが正しいかどうか、自分で判断できないことがあります。そんなとき、仲間に自分の志を語ってみると「ここが良いね！」「そこはダメじゃない？」と、いろいろな意見を聞くことができます。

仲間の意見を取り入れ、高め合う。切磋琢磨です。みなさんも、一人で考え込むだけじゃなくて、いろんな人に話してみてください！きっと、高め合える友人ができると思いますよ！