5分で解ける!疑問・反語を発見しように関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
まずは 訳に注目 して、疑問・反語が無いか探してみましょう。すると、前半の孔子のセリフに「お前(子貢)と回(顔回)では どちらが優れているか 」とありますね。 「~(だろう)か」 とたずねていることから 疑問 の表現だと判断しましょう。
また、訳の後半には「私ごときが、 どうして顔回と比べられましょうか、いや比べられません 」という子貢のセリフもあります。これは 反語 の表現です。
後は、それぞれ対応する漢字を抜き出せば正解です。答えは 「孰」「何」 の2文字。どちらも、文頭・文中に置かれ疑問・反語を表す漢字です。
ところで、文中の 「与」 も 「也」 も「疑問・反語を表す漢字」ではないか、と思った人もいるかもしれません。この2つを抜き出した人は、「これだけはおさえよう」のコーナーで学んだことが、しっかりと記憶に残っていますね!確かに「与」と「也」は疑問・反語を表す終助詞だと紹介しました。
ここで注意点があります。「与」「也」はあくまでも 文末に置かれて 疑問・反語を表す漢字です。文の最後に置かれる 「終助詞」 の場合に、疑問・反語の意味を表すのです。このように、疑問・反語を表す漢字は、漢字そのものだけでなく 文中での位置にも注意しましょう!
つづいて練習②。①と同様に、訳を見ながら疑問・反語の漢字を探しましょう。
最初の子貢のセリフに「師(子張」と商(子夏)では どちらが賢いですか 」とあります。単純に「~(だろう)か」とたずねている表現なので 疑問 だと判断しましょう。この「疑問」に対応する漢字を探すと、文中の 「孰」 と、文末の 「乎」 の2文字があります。 一文中に2つの疑問を表す文字が入っている ことに注意してください。
もう1つの子貢のセリフを見ると「では 子張のほうが優れているということですか 」とあります。 これも「~だろうか」の形なので 疑問 ですね。こちらの「疑問」に対応する漢字には、文末にくる 疑問・反語の終助詞「与」 が使われています。
以上から、正解は 「孰」「乎」「与」 の3文字です。
最後に練習③。今度は、訳も返り点もない白文を出題しています。難しそうに見えますが、落ち着いて、疑問・反語の漢字を探しましょう!
皆さんがここまでで覚えた疑問・反語の漢字、いくつ見つけられましたか?
さっそくですが、正解は
主人曰、「安有是。」の 「安」 と、
怒𠮟曰、「若尚有畏乎。」の 「乎」 です。
「安」は文頭・文中に置かれる漢字(副詞)
「乎」は文末に置かれる漢字(終助詞)
です。
ところで、練習③の文章、ちょっとおもしろいお話なんです。
ある日、お腹をすかせた貧乏な学生が、市場で売られているまんじゅうを食べたいと思いましたが、お金がありません。
どうにかしてまんじゅうを食べたい学生は、ある作戦に出ました。
突然まんじゅう屋の前で大声で叫び、苦しむふりをしだしたのです。
まんじゅう屋の主人はびっくりして、どうしたのかとたずねると、学生は「私はまんじゅうが怖いのです。」と答えました。
疑わしく思った主人は、学生を空き部屋に閉じ込め、中に100個のおまんじゅうを置きました。
しばらくして主人が部屋の様子をうかがってみると、学生は、怖いと言っていたはずのおまんじゅうを半分以上食べていたのです。
これに怒った主人は部屋を開け、「やはりまんじゅうが怖いなんて嘘だったじゃないか」と学生を責めます。
すると学生は「一度たくさんのまんじゅうに囲まれてみたら、怖くなくなったのです」と答えます。
そこで主人は「まんじゅうが怖くなくなったのなら、ほかに何か怖いものはないのか」と尋ねました。
これに学生は「私は、2杯のお茶も怖いです」と答えた、というお話です。
漢文の文章には、意味が分かると面白かったり、ためになったりする話がいっぱいです。がんばって句形を勉強して、漢文を楽しめるようになりましょう!
今回のまとめ
今回は 疑問・反語を表す漢字 を学びました。文末に置かれる終助詞と、文頭・文中に置かれる副詞の2種類を学習しましたね。しっかり復習しておきましょう。次回は 疑問・反語の見分け方 を勉強します!
練習①。訳を参考に、文中の「疑問・反語を表している漢字」をすべて抜き出す問題です。