5分で解ける!疑問の副詞 「何」に関する問題
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の問題と解説
練習
解説
まずは訳を見てみましょう。 「どうして私を諫めないのか。」 とあります。これは 疑問 の形ですね。
疑問のとき、文末の形はどうなるのでしたか?そう、 「連体形+(か・や)」 となるのでしたね。
「どうして」 という意味になるとき、「何」はどう読めばいいのでしたか?そう、 「なんぞ」 でしたね。問題文の「何」の読み仮名としてふさわしいのは「なんゾ」となります。
つづいて練習②。同じように、文と訳から「何」の読み仮名を決めましょう。
文を見ると「何」が2か所あります。
訳を見ると、どちらも 「なにを」 と訳されています。
そして「何を心配し、何を恐れることがあろうか、 いや心配も恐れることもない。 」という訳から、これは 反語 だと判断できます。
では、反語のときの文末の形は?そう、 「未然形+ん・んや」 ですね。
ここまで確認できたら 「なにを」 という意味をもつ「何」の読み方を思い出しましょう。「なにを」を意味する場合の「何」の読みは 「なにをか」 でしたね。
最後に練習③。書き下し文をヒントに訳を完成させましょう。
書き下し文を見ると「 何の 意有りてか碧山に棲む。」とあります。「何」の複数の読みのうち、「なんの」と読むときの意味は何でしたか?そう、 「どんな」 でしたね。
次に、「何」が疑問か反語かを見分けましょう。注目するのは 文末 です。文末が「棲む」と 連体形 になっていますから、これは 疑問 だと考えましょう。
以上をふまえ、訳は 「どんな意味があって、碧山に住んでいるのか。」 となります。
今回のまとめ
今回は、疑問の副詞「何」が持ついろいろな読みと意味を学びました。ですが、「何」の読みと意味はこれだけではありません。「いづれの」「いづくにか」など、まだまだたくさんあります。これらについては、別の授業で学習します。
ところで、先ほどの練習①で「何不吾諫。」という文を扱いました。書き下し文は「何ぞ吾を諫めざる。」、訳は「どうして私を諫めないのか。」
この読みと意味、実は「再読文字」の章で学んだ 「盍」 と同じです。再読文字「盍」は 「なんぞ~ざる」 と読み、 「どうして~しないのか」 という意味を持ちます。つまり、練習①の文章の「何不」の部分は 文法的・意味的に「盍」と置き換え可能 なのです。
このように、漢文では、以前学習したことと新しい知識とがピッタリとつながることがありです。新しい句形を覚えながら、前に学んだことも定期的に復習していくと、このような面白い発見があるかもしれませんよ!
練習①。文と訳を見て「何」の送り仮名を決め、書き下し文を完成させる問題です。