練習①。書き下し文と訳を完成させましょう。

まず注目してほしいのは、二文字目の 「即」 。「すなはち」とも読むこの漢字、送り仮名を見ると 「シ」 が付いていますね。つまり、ここでは 「もし」 と読んであげましょう。

続いて「即」の下の「不」に注目すると「 ずンバ 」と送り仮名が付いています。「もしAならば、Bだ」の仮定の表現ですね。「不聴用鞅」が 条件 を表す「A」に当たり、「必殺之」が 結果 を表す「B」に当たります。

書き下し文を作るときは、「不」を ひらがな で書くことに注意してください。訳は「王がもし、鞅（人物名）を登用することを聞き入れないんだったら、必ず殺せ」となります。「殺セ」と 命令形 になっていることに注意してくださいね。

続いて練習②。書き下し文と訳を完成させましょう。

一文字目の 「苟」 は 「いやしクモ」 と読みます。そのあとは一点から二点へ返って 「恒心無ケレバ」 。送り仮名「バ」があるので 仮定の表現 ですね。「無恒心」の部分が 条件 に当たります。

少し長いですが、そのあとの「放辟邪侈無レ不レ為已」の部分が 結果 を表します。「放辟邪侈」は「わがままでよこしまなこと」。「無不為已」はレ点に注意して読むと 「為さざる無きのみ」 となります。「不」「已」は ひらがな で書くことに注意してください。

訳すときは「無不」の 二重否定 に注意してください。また、最後の一文字「已」は 「～だけだ」 という限定の意味を表します。

仮定の表現と二重否定、しっかり訳出できましたか？一つひとつ、ポイントをしっかりおさえておきましょう。

今回は「微・苟・即・若・如」の後に「A即B」が来る、仮定の表現を学びました。

句形の授業も後半戦に入っています。皆さん、これまで学んだ内容は頭に入っていますか？再読文字はいくつありましたか？疑問・反語の判別はバッチリですか？

漢文は一つひとつのポイントの積み重ねです。もし、忘れているなと感じる句形があったら、前の授業に戻って復習しておきましょう。