5分で解ける!漢詩の形式に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
まずは 句の中に文字がいくつあるか を数えましょう。ちなみに『鹿柴』は詩のタイトル、王維(おうい)は作者の名前です。そのあとが本文ですので、「空山不見人」に注目してください。数えてみると 五文字 ありますね。
次に 全体で何句あるか を数えましょう。「空山不見人」を一句と数えると、全部で 四句 ありますね。
さて、漢詩の形式は何でしょうか?五文字の場合は 五言 、四句の場合は 絶句 でしたね。正解は 五言絶句 です!
つづいて練習②。漢詩の形式を答えましょう。
1問目より長い漢詩ですが、落ち着いて考えていきましょう。冒頭の『江村』は詩のタイトル、杜甫(とほ)は作者名。有名な詩人です。
まずは 句の中に文字がいくつあるか を数えましょう。一句目に注目すると「清、江、一、曲、抱、村、流」で 七文字 ありますね。
次に 全体で何句あるか を数えましょう。「清江一曲抱村流」を一句と数えると、全部で 八句 ありますね。
さて、漢詩の形式は何でしょうか?七文字の場合は 七言 、八句の場合は 律詩 でしたね。正解は 七言律詩 です!
練習③。漢詩の形式を答えましょう。
2問目よりさらに長い漢詩ですね・・・。落ち着いて考えていきましょう。この漢詩は 上と下の二段組 になっていますね。右端の10文字を一句として見るのではなく、「行行重行行」のかたまりで一句とカウントするようにしてください。
まずは 句の中に文字がいくつあるか を数えましょう。「行、行、重、行、行」で 五文字 ありますね。
次に 全体で何句あるか を数えましょう。繰り返しになりますが「行行重行行」を一句として数えてくださいね。すると、全部で 十六句 あることがわかります。
十六句の場合、形式は何でしょうか?四句なら絶句、八句なら律詩で それ以外の場合は古詩 でしたね。正解は 五言古詩 です!
練習④。漢詩の形式を答えましょう。
冒頭の『鳥夜啼』は詩のタイトル。李白(りはく)は作者名、とても有名な詩人です。余談ですが、彼はお酒が大好きだったそうです。
さて、まずは 句の中に文字がいくつあるか を数えましょう。一句目に注目すると「黄、雲、城、辺、烏、欲、棲」で 七文字 ありますね。形式は 七言 です。
次に 全体で何句あるか を数えましょう。「黄雲城辺烏欲棲」を一句と数えると、全部で 六句 ありますね。
あれ?四句の場合は絶句、八句の場合は律詩ですが、どちらにも当てはまりませんね・・・。とはいえ、慌てる必要はありません。そう、絶句でも律詩でもない場合は 古詩 でしたよね。正解は 七言古詩 です!
四句の場合は絶句、八句の場合は律詩、それ以外は古詩。練習④では「それ以外」のパターンを扱いました。四句でも八句でも場合は、慌てずに「古詩」と答えられるようにしておきましょう!
今回のまとめ/句の字数が5文字でも7文字でもない場合はどうするの?
今回は漢詩の形式について学習しました。形式の見分け方、しっかりおさえられましたか?
さて。突然ですが、最後に 打越先生のおたよりコーナー です!こんなお便りが来ていますよ。「私は20歳の娘を持つ母親です。娘が近々嫁ぐことになったのですが、これに関して、娘が嫁いでいくという内容の漢詩があります。この漢詩の形式は何でしょうか?」というお便りです。その漢詩はこちらですね。
中国最古の詩集『詩経(しきょう)』から「桃夭(とうよう)」という漢詩です。嫁いでいく娘の幸せを願う、素朴な内容となっています。さて、この漢詩の形式は何でしょうか?
まず、句の中に文字はいくつあるでしょうか? 四つ ですね。全体で何句あるでしょうか? 十二句 ですね。四句でも八句でもないので 古詩 にあたることはわかります。
お便りをくれたお母さんが疑問を感じたのは、句が 四文字 だということでしょう。授業では五文字(五言)と七文字(七言)しか紹介していませんからね。
実は、五言や七言の漢詩は、比較的最近の時代の作品。漢詩の「型」がある程度決まってきた時代の作品なんです。一方、先ほど見た「桃夭」はもっと昔に作られました。当時はまだ、文字数についての決まりがなく、五文字や七文字ではない作品も多くあったのです。
とはいえ、形式を答える際のルールは同じです。もし、字数が四文字の漢詩に出会ったら、形式は 四言(しごん) と答えてあげてください。ということで、「桃夭」の形式は 四言古詩 となります。
以上、五言でも七言でもない、特殊なパターンの漢詩を紹介しました。とはいえ、基本は五言または七言です。句の中に文字がいくつあるか、そして全体で何句あるか。この2つの視点で漢詩の形式を判断しましょう!
練習①。漢詩の形式を答えましょう。