高校漢文

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5分で解ける!漢詩の訳し方に関する問題

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5分で解ける!漢詩の訳し方に関する問題

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この動画の問題と解説

練習

一緒に解いてみよう

高校漢文 10章3 練習① 答え無し

解説

これでわかる!
練習の解説授業
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練習①。漢詩の訳を完成させましょう。すでに第一句と第三句には訳が入っているので、偶数句を訳してください。

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まずは タイトル の「春暁」に注目。暁(あかつき)は「夜明け、明け方」という意味です。季節は春で、朝の話なんだな、と予想しましょう。

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第一句にはすでに訳が付いています。ちなみにこの漢詩は五言詩です。五言詩の場合は 二句と三句の間に意味の区切り があるんでしたね。第一句も「春眠」と「不覚暁」に分けることで、意味をつかみやすくなります。

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続いて第二句。この漢詩は全体で四句あるので 絶句 ですね。絶句の場合は 起承転結 の流れに注目です。二句目(承句)は一句目の内容を受ける、つまり話がつながっていることがほとんどです。一句目の内容をふまえて、二句目を見てみましょう。

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注釈を見ると「処処」は 「あちこちで」 。最初の二文字はこの訳でOKですね。次の三文字「聞啼鳥」はどうでしょうか?注釈を見ると「啼」は 「鳴く」 とあります。つまり鳥の鳴き声を聞いた、ということですね。まとめると第二句は 「あちこちで鳥が鳴くのが聞こえる」 と訳せます。

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第三句には訳が付いていますね。「夜来」の部分は「昨夜は一晩中」。「風雨声」は「風や雨の音」と訳してあります。皆さん、ここで「声」の訳に注目してください。 となっていますね。風や雨はもちろん声を出しませんので、漢詩に「声」とあっても声とは訳さず、音と訳すようにしましょう。

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最後に第四句。まとめの結句です。まず「花落(花落つること)」の二文字に注目。注釈を見ると「落」は 「散る」 とあります。第三句から、昨晩に風が吹いたり雨が降ったりしたことがわかるので、その影響で花が散ったのかな、と考えられますね。

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最後の三文字「知多少(多少を知らんや)」。知るという動詞が未然形「知ら」となり、「んや」が接続しています。「未然形+んや」の形は 反語 でしたね。つまり直訳すると 「多いか少ないかを知っているだろうか、いや知らない」 となりそうです。正解はこちら。

答え
高校漢文 10章3 練習① 答え有り
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答えを見ると 「花はどれくらい散ってしまっただろうか、いっぱい散ってしまったに違いない」 となっています。どうして「いっぱい散ってしまった」と訳せるかというと、第三句に 一晩中風や雨の音がしていた とあるからです。一晩中風が吹いたり雨が降ったりしたら、当然、花はたくさん散ってしまいます。

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続いて練習②。先ほどと同じく、偶数句を訳しましょう。

高校漢文 10章3 練習② 答え無し

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一句あたり五文字の五言詩なので、二文字と三文字に分けて 意味を考えましょう。タイトルは「春望」とありますね。注釈を見ながら訳を考えていきましょう。

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また、この漢詩は八句あるので 律詩 ですね。律詩の場合は三句目と四句目、五句目と六句目が 対句 になっています。さらに、最後の一~二句には 筆者の主張 が述べられていることが多いんでしたね。以上のポイントをふまえて、第一句から見ていきます。

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「国破山河在」は「首都の長安はすっかり滅び、山河だけが昔のまま」と訳が付いています。「滅び」とあるので、陽気な内容ではなさそうですね・・・。

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第二句「城春草木深」の「城」は、注釈を見ると 「町」 とあります。草木が「深い」ということは、たくさん生えている様子を想像できます。ということで、第二句は 「町は春を迎え、草木が深く生い茂っている。」 と訳せます。首都が滅びてしまった一方、草木が成長している様子が対照的ですね。

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第三句「感時花濺涙」には「時勢のありさまを感じて美しい花を見ても涙を流し、」と訳が付いています。「涙を流し」とあるので、作者の 悲しみ が伝わってきますね。

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第四句の最初の二文字「恨別」は、そのまま「別れを恨んで」と意味をとりましょう。次の三文字「鳥驚心」の鳥は、注釈に 「鳥の鳴き声」 とあります。鳥を見てびっくりしたのではなく、鳴き声に反応したのですね。以上より、第四句の訳は 「別れを恨んで鳥の鳴き声を聞いても驚いてしまう」 となります。鳥の鳴き声に驚くほど、作者は動揺しているのでしょう。

高校漢文 10章3 練習② 答え無し

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第五句「烽火連三月」。ちなみに「三月」はここでは「さんげつ」と読みます。「さんがつ」だと一月、二月に続く月の名称になりますが、ここでの「三月」は 三か月という期間 を表しています。句全体の訳は「戦いは三か月の長きに渡り、」とあります。

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第六句の最初の二文字「家書」は、注釈に 「家族からの便り」 とあります。家にある本ではないので注意してください。最後の三文字「抵万金」の「万金」とは、直訳すると「たくさんの金銭」ですが、要は たいへん貴重なもの という意味です。万金の意味を考えるヒントとして、第五句と第六句の 対句 も手がかりになります。第五句の最後の二文字「三月」は三か月というたいへん長い期間。第六句の万金もたいへん貴重なもの。似た意味の対句になっています。以上より、第六句は 「家族からの便りは万金にも値するほど貴重だ。」 と訳せます。万金の「万」は、一万・二万といった具体的な数を表す「万」ではなく、「たくさん」という意味を表しています。

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第七句の最初の二文字「白頭」は「白髪(しらが)頭」。作者が歳をとっている様子がわかります。「頭を掻くとさらに(髪が)短くなる」という部分からは、それだけ時が流れていることを感じさせます。

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最後の第八句。最初の二文字「渾欲」の「渾」は 「まったく」 と注釈にあります。最後の三文字「不勝簪」の「簪」は 「かんざし」 と注釈にありますね。ここで 筆者の主張は最後の一~二句にある というポイントをふまえて、一つ前の句を見てみましょう。第七句では「髪が短くなっている」と書いてありました。そんな頭にかんざしを挿そうとしても、できないですよね。これをふまえると、第八句の訳は 「まったくかんざしをつけることもできそうにない」 となります。

答え
高校漢文 10章3 練習② 答え有り
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練習問題、いかがでしたか?難しかった、できなかったという人は、今回扱った2つの漢詩をしっかり訳せるように、復習しておきましょう。

今回のまとめ

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ここまで3回の授業を通じて、漢詩の「形式」「押韻」「意味」について学んできました。ポイントをおさえれば、漢文は必ず読めるようになります。

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1章の最初の授業でもお伝えしましたが、漢文は 勉強すれば必ず得点できます。 ぜひ、これまでの授業で習ったことを復習して、これからも漢文の勉強を頑張ってくださいね。応援しています!

漢詩の訳し方
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