5分でわかる!化学合成細菌
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この動画の要点まとめ
ポイント
化学合成細菌がどのように有機物を合成するのか、見ていきましょう。
化学合成細菌は化学エネルギーをつくる
化学合成細菌には、3つの種類があります。
それぞれの化学合成細菌が化学エネルギーを得るまでの過程を確認しましょう。
1つ目の化学合成細菌は、硫黄細菌です。
硫黄細菌は、どのように化学エネルギーを生成しているのでしょうか?
次の化学反応式を見てください。
硫黄細菌は、周りにある硫化水素を体内に取り込みます。
そして、周りにある酸素と化学反応を起こすことによって、硫黄と水を生成します。
この過程で、化学エネルギーが生じているのです。
こうして生じた化学エネルギーが、有機物の合成に利用されています。
2つ目の化学合成細菌は、亜硝酸菌です。
次の化学反応式を見てください。
亜硝酸菌は、周りにあるアンモニウムイオンを体内に取り込みます。
そして、周りにある酸素と化学反応を起こすことによって、亜硝酸イオン、水素イオン、水を生成します。
この過程で、化学エネルギーが生じています。
3つ目の化学合成細菌は、硝酸菌です。
次の化学反応式を見てください。
硝酸菌は、周りにある亜硝酸イオンを体内に取り込み、酸素と反応させます。
そして、硝酸イオンを生成するときに化学エネルギーを生じます。
このように、化学合成細菌の種類によって化学反応は異なりますが、必ず化学エネルギーつくっていることがわかりますね。
得られた化学エネルギーはカルビン・ベンソン回路へ
これらの化学反応によって生じた化学エネルギーは、どのように使われて有機物を合成するのでしょうか?
実は、得られたエネルギーはカルビン・ベンソン回路へ送られます。
カルビン・ベンソン回路は、植物が葉緑体の光合成を行うときに、有機物を合成する化学反応でした。
化学合成細菌は、光エネルギーを利用して光合成をしているわけではありませんが、有機物を合成する過程では、光合成と同じようにカルビン・ベンソン回路を利用しています。
そして、合成した有機物を自ら分解し、そのときに生じたエネルギーをATPに変換して生命活動を行っているのです。
生物が有機物をつくる方法について学習してきましたね。
植物は、光エネルギーを利用して光合成を行います。
それに対して、一部の生物は、化学エネルギーを利用して有機物を合成しています。
このような生物を、化学合成細菌といいます。