5分でわかる!選択的スプライシング
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この動画の要点まとめ
ポイント
次の図を見てください。
これは、核の模式図です。
核の右下に、色の濃い紐のような構造体が描かれているのが分かりますか?
これは転写によって合成されたばかりのmRNAです。
イントロン⇒必ず除去される配列
転写された直後のmRNAについて、詳しく見ていきましょう。
次の図を見てください。
転写された直後のmRNAを、前駆mRNAといいます。
前駆mRNAには、2つの領域があります。
イントロンとエキソンです。
図では、前駆mRNAの白い部分がイントロン、黒い部分がエキソンです。
このうち、イントロンは、スプライシングで必ず除去されます。
イントロンは、必ず除去される配列なので、核外に出ることはありません。
つまり、イントロンは翻訳に使われない配列であるということです。
そして、エキソンは、イントロン以外の部分です。
つまり、スプライシングが起こると、白い部分が取り除かれ、黒い部分だけが残ることになります。
エキソン⇒除去される場合もある
次の図を見てください。
前駆mRNAの下に、スプライシングを経てできあがった4つのmRNAが描かれています。
4つのmRNAは、同様にすべてのイントロンが除去されることになります。
しかし、4つとも異なる配列をしていますね。
イントロンだけでなく、一部のエキソンも除去されているわけですね。
エキソンは、一般的にはmRNAとして翻訳される領域ですが、必ず翻訳されるとは限りません。
スプライシングにおいて除去される場合もあるのです。
このようなスプライシングによって、様々なエキソンの組み合わせによる多数のmRNAができあがります。
選択的スプライシングによって様々なタンパク質ができる
このように、1つの前駆mRNAから多種のmRNAができるスプライシングを、選択的スプライシングといいます。
選択的スプライシングによって産生された様々なmRNAが、最終的にタンパク質に翻訳されるのです。
最後に、選択的スプライシングがどのような意味をもつのか、少し深く考えてみましょう。
選択的スプライシングというしくみは、真核生物のみで見られるものです。
真核生物は、より多くのmRNAを合成することができるということですね。
より多くのmRNAを合成できるということは、より多くのタンパク質を合成できるということです。
真核生物は、原核生物に比べて多種のタンパク質を得ることができました。
そのため、真核生物は、ヒトのように複雑なしくみの体を得ることができたのです。
選択的スプライシングは、生物が進化する原動力の1つとなったということができます。
核内で転写されたmRNAの一部の領域が除去されることを、スプライシングといいました。
スプライシングは、真核生物のみで見られるしくみです。
今回は、スプライシングの流れについて詳しく見ていきましょう。