5分でわかる!翻訳のプロセス

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この動画の要点まとめ
ポイント
核外へ出たmRNAがリボソームと結合

次の図を見てください。
左端には、核があります。


核の中では、DNAからmRNAが転写されます。
そして、mRNAはスプライシングなどの過程を経た後、核膜孔を通って核外へ出ます。

mRNAが核外へ出た後、どのように翻訳が進められるのでしょうか?
次の図を見てください。


核外で横に長く伸びている紐のようなものが、mRNAです。
核外へ出たmRNAは、細胞質基質中でリボソームと結合します。
リボソームは、雪だるまのような形をしており、mRNAに貫かれるように描かれています。
開始コドンから翻訳が開始

リボソームは、どのような働きをしているのでしょうか?
次の図を見てください。


リボソームは、核外へ出てきたmRNA上を、5'側から移動します。
図では、リボソームは右方向へ移動するということですね。
このとき、リボソームはただ移動しているだけではありません。
リボソームは、mRNAの塩基配列を読み取りながら移動しているのです。

図では、mRNAの塩基配列の途中でAUGという配列が現れます。
AUGという塩基配列を、開始コドンといいます。
mRNAを移動するリボソームは、開始コドンを読み取ると、そこから翻訳を開始します。

tRNAがアミノ酸を運ぶ

さて、ここで翻訳について思い出しましょう。
翻訳とは、mRNAからタンパク質を合成することでしたね。
つまり、mRNAの塩基配列が、タンパク質の中のアミノ酸配列に変換されるわけです。


リボソームによって翻訳が行われると、塩基配列に従ってアミノ酸が運ばれてくるのです。
しかし、アミノ酸は自ら移動することはできません。
アミノ酸をmRNAの塩基配列へ運ぶ役割を担うものがいるのです。


mRNA上にあるAUG、UUU、GUUのような塩基配列に従って、メチオニン、フェニルアラニン、ロイシンというタンパク質が運ばれてきています。
それぞれの塩基配列とタンパク質の間に、フォークのような形をした構造物が描かれているのが分かりますか?
これは、tRNA(トランスファーRNA) です。
tRNAが、mRNAの塩基配列へアミノ酸を運ぶ役割を担っているのです。

終止コドンにて翻訳が終了

翻訳が開始されると、リボソームが読み取ったmRNAの塩基配列に従って、tRNAがアミノ酸を運んでくるということですね。
では、リボソームによる翻訳はいつまで行われるのでしょうか?
次の図を見てください。


リボソームは、ある特殊な塩基配列を読み取ると、翻訳を終了します。
そのような塩基配列を、終止コドンといいます。
終止コドンには、UAA、UGA、UAGの3種類があります。

図では、mRNAの右側に、UAAという塩基配列が書かれていますね。
これは、終止コドンの一種です。
リボソームが終止コドンを読み取ると、リボソームはmRNAから外れ、そこで翻訳が終了します。

翻訳は、リボソームによって行われ、開始コドンから終止コドンまで進行することを押さえておきましょう。


翻訳について、詳しく見ていきましょう。