5分でわかる!オチョア、ニーレンバーグの実験
- ポイント
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
オチョアはmRNAの人工合成に成功
特定の塩基配列をもつmRNAを実験で使いたい場合、核内からmRNAを取り出すと手間がかかります。
また、核内のDNAは選択的スプライシングを経て、様々なmRNAになっています。
そのため、狙い通りのmRNAを得ることは困難です。
そこで、オチョアは、mRNAを人工的に合成する方法を編み出しました。
次の図を見てください。
これは、オチョアが合成に成功したmRNAの一例です。
「…AAAAA…」や「…CCCCC…」のように、同じ塩基が並んでいることがわかりますね。
オチョアが確立した手法は、遺伝子に関する様々な実験で使われています。
ニーレンバーグは試験管内でタンパク質を合成
続いて、ニーレンバーグの実験について見ていきましょう。
ニーレンバーグは、試験管の中で翻訳によってタンパク質の合成を試みました。
次の図を見てください。
試験管の中には、オチョアの手法を用いて合成されたmRNAが入っています。
図で、 U(ウラシル) が連続して配列しているものが、人工的に合成されたmRNAです。
試験管の中には他にも、タンパク質合成の場であるリボソーム、アミノ酸とtRNAが結合したもの、過剰なマグネシウムイオンが入っています。
ニーレンバーグはこの実験で、試験管内で翻訳によりタンパク質合成を行うことに成功しました。
この実験について考えてみましょう。
翻訳は、リボソームがmRNAの開始コドンを読み取ることで開始されましたね。
開始コドンの塩基配列は、AUGです。
しかし、この実験ではUのみが連結したmRNAを用いているので、mRNAは開始コドンをもっていません。
また、この実験が行われた当時は、開始コドンの存在も明らかになっていませんでした。
なぜ、試験管内でタンパク質合成を行うことができたのでしょうか?
実は、試験官内の過剰なマグネシウムイオンが、タンパク質合成を促進していると考えられています。
この実験では、フェニルアラニンのポリペプチドが合成されました。
結果から、Uがフェニルアラニンを指定していることが分かりますね。
しかし、いくつのUがフェニルアラニンを指定するかまで明らかになったわけではないので注意しましょう。
mRNAの塩基配列と合成されるアミノ酸の関係を、実験を通して明らかにした3人の研究者がいます。
オチョア、ニーレンバーグ、コラーナです。
今回は、オチョアとニーレンバーグの実験を見ていきましょう。