5分でわかる!コラーナの実験
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この動画の要点まとめ
ポイント
オチョアは、mRNAの人工合成に成功しました。
また、ニーレンバーグは、試験管内での翻訳によるタンパク質合成に成功しました。
最後に、コラーナの実験を見ていきましょう。
1つか3つの塩基がアミノ酸を指定すると判明
コラーナの1つ目の実験では、AとCの塩基が繰り返されるmRNAが使われました。
次の図を見てください。
これが、コラーナが使った人工のmRNAです。
コラーナはこの実験によって合成されるアミノ酸配列から、mRNAの塩基配列と合成されるアミノ酸の関係について明らかにしようとしました。
当時は、いくつの塩基で1つのアミノ酸が指定されるか分かっていませんでした。
そこでコラーナは、いくつかの仮説を立てて実験を行ったわけです。
仮説の1つ目は、1つの塩基が1つのアミノ酸を指定するパターンです。
塩基配列は、A、C、A、Cと繰り返されます。
この場合、2種類のアミノ酸が交互に合成されるはずです。
仮説の2つ目は、2つの塩基が1つのアミノ酸を指定するパターンです。
塩基配列は、AC、AC、AC、ACと繰り返されます。
この場合、同じアミノ酸が続けて合成されるはずです。
仮説の3つ目は、3つの塩基が1つのアミノ酸を指定するパターンです。
塩基配列は、ACA、CAC、ACA、CACと繰り返されます。
この場合、2種類のアミノ酸が交互に合成されるはずです。
さて、3つの仮説のうち、どれが正しかったのでしょうか?
実験の結果、トレオニンとヒスチジンというアミノ酸が交互に合成されました。
よって、1つの塩基か3つの塩基が、1つのアミノ酸を指定していることが分かるのです。
しかし、具体的にどの塩基がトレオニンやヒスチジンを指定しているのかはまだ分かりませんね。
3つの塩基がアミノ酸を指定する
コラーナの2つ目の実験を見ていきましょう。
2つ目の実験では、CAAという塩基が繰り返されるmRNAが使われました。
次の図を見てください。
これが、2つ目の実験で使われた人工のmRNAです。
コラーナはこのmRNAを使って、1つ目の実験と同じように試験管内でのタンパク質合成を試みました。
彼は今回も、いくつかの仮説を立てて実験を行いました。
仮説の1つ目は、1つの塩基が1つのアミノ酸を指定するパターンです。
塩基配列は、C、A、Aと繰り返されます。
この場合、2種類のアミノ酸が合成されるはずです。
仮説の2つ目は、3つの塩基が1つのアミノ酸を指定するパターンです。
翻訳が開始する場所によって、CAAが繰り返されるパターン、AACが繰り返されるパターン、ACAが繰り返されるパターンがあります。
結果として、3種類の同じアミノ酸が合成されるはずです。
実験から、3種類アミノ酸が合成されました。
グルタミン・アスパラギン・トレオニンの3つです。
この結果から、3つの塩基が1つのアミノ酸を指定していることが明らかになりました。
コラーナは、3つの塩基が1つのアミノ酸を指定していることを明らかにしました。
また、ACAという塩基配列がトレオニンを指定していることも発見しました。
オチョア、ニーレンバーグ、コラーナという3人の実験によって、mRNAの塩基配列と合成されるアミノ酸の関係が明らかになっていったのですね。
mRNAの塩基配列と合成されるアミノ酸の関係を、実験を通して明らかにした3人の研究者がいます。
オチョア、ニーレンバーグ、コラーナです。