5分で解ける!遺伝(テスト1、第3問)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
DNA複製にかかわる2つの酵素
図には、DNAが描かれています。
図の右側に描かれた一部のDNAは、縦に引かれた点線によって結合していますね。
この点線は水素結合を表しています。
図では、Aという酵素によって2本鎖DNAの水素結合が切断され、2つの1本鎖DNAが作られています。
このような働きをするAは、ヘリカーゼです。
図でヘリカーゼは右方向へ進み、次々とDNAを1本鎖にしています。
Bは、ヘリカーゼによって1本鎖になったDNA上に存在します。
図でBは右方向へ進んでおり、その後ろにはDNAが複製されています。
Bは、1本鎖DNAに対して相補的なDNAを合成する酵素だということですね。
DNAを鋳型として何らかの核酸を作る酵素を総称してポリメラーゼといいました。
ポリメラーゼは、DNAから何を合成するかでその名称が変わります。
よってBは、DNAポリメラーゼです。
リーディング鎖とラギング鎖
まずXについて見ていきましょう。
次の図を見てください。
Xは、DNAポリメラーゼによって合成されている1本鎖DNAです。
DNAポリメラーゼは、鋳型となるDNAを3'側から5'側へ移動する性質がありました。
図では、X上のDNAポリメラーゼは右方向へ移動していますね。
図を見ると、ヘリカーゼも右方向へ移動しています。
DNAポリメラーゼの移動方向とヘリカーゼの進行方向が同じだということですね。
X上のDNAポリメラーゼは、ヘリカーゼの後を追うようにして1本鎖になったDNA上を移動し、DNAを複製しているのです。
よってXは、連続的なDNA鎖だということです。
このようなDNA鎖を、リーディング鎖といいます。
次に、Y上に描かれた2つのDNAポリメラーゼに注目してください。
DNAポリメラーゼは、鋳型となるDNAを3'側から5'側へ移動する性質がありました。
図では、Y上のDNAポリメラーゼは左方向へ移動していますね。
図でヘリカーゼは右方向へ移動していましたね。
よって、DNAポリメラーゼの移動方向とヘリカーゼの進行方向が逆だということです。
このようにしてできた、不連続なDNA鎖を、岡崎フラグメントといいます。
岡崎フラグメントが結合してできるDNA鎖を、ラギング鎖といいます。
RNAプライマー⇒DNAポリメラーゼをDNA鎖へ結合
DNAポリメラーゼは、自身だけで1本鎖DNAに結合できるわけではありません。
DNAポリメラーゼが1本鎖DNAに結合するための足場のような働きをするヌクレオチド鎖が存在します。
これをRNAプライマーといいます。
DNAポリメラーゼはRNAプライマーを認識し、そこへ結合することで1本鎖DNAへ結合できるのです。
次の図を見てください。
これは、DNAの複製の様子です。