5分でわかる!染色体レベルでの遺伝子調節
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この動画の要点まとめ
ポイント
真核生物は、核内にDNAが収められています。
次の図を見てください。
これは、電子顕微鏡で見た核の模式図です。
図で、核の中央あたりに黒く塗られた構造体が描かれているのが分かりますか?
これは核小体です。
核の中はDNAで満たされていますが、一様にDNAが存在しているわけではありません。
図の核には、①で示された斜線が引かれた領域と、②で示された白い領域が存在しますね。
それぞれの領域は、結合のしかたが異なっているのです。
遺伝子領域がメチル化
図において①で示された、斜線が引かれた領域を見てみましょう。
次の図を見てください。
通常、DNAはヒストンというタンパク質に巻き付いて、ヌクレオソームになっていました。
①の領域では、ヌクレオソームのヒストンが高密度に凝集しています。
図を見ると、ヌクレオソームにメチル基がついていて、メチル化されていることがわかりますね。
遺伝子領域がアセチル化
一方、図において②で示された、白い領域を見てみましょう。
次の図を見てください。
②の領域では、ヌクレオソームのヒストンがアセチル化され、DNAがほどけたような状態になっています。
図を見ると、ヌクレオソームにアセチル基がついていますね。
遺伝子領域がアセチル化されると発現可能に
核内の遺伝子領域は、2種類の状態で存在していることが分かりました。
この2種類の間には、どのような違いがあるのでしょうか?
DNAが転写されるときは、DNAにRNAポリメラーゼが結合しましたね。
次の図を見てください。
RNAポリメラーゼが結合できるのは、②の領域に存在するアセチル化された遺伝子領域だけです。
①の領域ではヌクレオソームが凝集しているので、RNAポリメラーゼはDNAに結合することができないのです。
遺伝子発現の違いが細胞を分化させる
細胞1つ1つには核があり、すべて同じゲノムをもっています。
しかし、ヒトの体を見ても、細胞ごとに様々な性質や働きをもっていますよね。
これは細胞によって、転写や翻訳をされて発現する遺伝子領域が異なるからなのです。
こうして細胞は、様々な働きをすることができるようになります。
これを、細胞の分化といいます。
真核生物の遺伝子発現調節について見ていきます。
どのような場合にどのような種類の遺伝子が発現するか、見ていきましょう。