5分でわかる!PCR法の手順
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この動画の要点まとめ
ポイント
PCR法の材料は4つ
PCR法は、DNAの任意の領域を増幅できるバイオテクノロジーでした。
試験管内でDNAの複製を行うイメージでしたね。
PCR法はどのような手順で行うのでしょうか?
次の図を見てください。
PCR法に必要な材料は4つあります。
まずは、鋳型として使うDNAです。
例えば、ヒトのDNAを増やしたい場合はヒトのDNAを使います。
血液や口内の粘膜から細胞を取り出し、DNAを抽出するのです。
2つ目の材料は、DNAプライマーです。
DNAプライマーはDNAの特定の領域を認識して結合します。
そのため、DNAの任意の領域だけを複製するために必要なのです。
3つ目の材料は、DNAポリメラーゼです。
DNAポリメラーゼは、細胞内でDNAからDNAを合成する働きを担う酵素です。
PCR法では、耐熱性のDNAポリメラーゼを使うことも覚えておきましょう。
最後の材料は、ヌクレオチドです。
ヌクレオチドは、PCR法で新しく作られるDNAの材料として必要なものです。
加熱、冷却、加熱を繰り返して目的のDNAを増幅
PCR法には4つの材料が必要でしたね。
これらの材料を混ぜ合わせたものは反応液と呼ばれます。
反応液を試験管の中に入れた後、試験管はサーマルサイクラーという機械に入れられます。
写真では、人によってサーマルサイクラーが操作されていますね。
サーマルサイクラーの中で何が行われていると思いますか?
実は、反応液の加熱、冷却、加熱というサイクルが繰り返されているのです。
写真は、反応液の温度を操作しているところなのですね。
この操作を繰り返すことで、目的のDNAを増幅することができるのです。
DNAポリメラーゼは、変性しないように耐熱性
ところで、PCR法では耐熱性のDNAポリメラーゼを使用していましたね。
なぜ耐熱性のものを使用するのでしょうか?
PCR法には反応液を加熱するプロセスがあります。
そのとき、反応液の温度が95℃まで上がることがあるのです。
DNAポリメラーゼは酵素なので、タンパク質でできていますね。
通常タンパク質は熱に弱く、高温になると失活してしまうことがありました。
このような変化を変性といいましたね。
PCR法では、変性を防ぐために、耐熱性のDNAポリメラーゼを使用しているのです。
PCR法について詳しく見ていきましょう。