5分でわかる!PCRのプロセス
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この動画の要点まとめ
ポイント
PCR法に必要な材料を混ぜ合わせたものを反応液といいました。
PCR法では、加熱、冷却、加熱するサイクルが繰り返されます。
具体的にどのようにDNAが増幅するのでしょうか。
変性⇒2本鎖DNAが1本鎖に
試験管の中に1本の2本鎖DNAが入っている様子をイメージしてください。
まず最初に、反応液を95℃に加熱します。
2本鎖DNAは、2本のヌクレオチド鎖が水素結合によって結合していましたね。
加熱すると、2本鎖DNAの水素結合が切断され、2本の1本鎖DNAになります。
細胞内でDNAの複製が行われる場合、ヘリカーゼという酵素が2本鎖DNAの水素結合を切断していましたね。
PCR法では、加熱によって1本の2本鎖DNAを2本の1本鎖DNAにしていることが特徴です。
このように、95℃で2本鎖DNAを1本鎖にすることを、変性といいます。
アニーリング⇒プライマーが相補的な配列で結合
次に、反応液を60℃に冷却します。
このとき、2本の1本鎖DNAそれぞれに、DNAプライマーが結合します。
DNAプライマーは、1本鎖DNAと相補的な部分で結合することが特徴です。
さらに、DNAプライマーを認識したDNAポリメラーゼが結合します。
細胞内でDNAの複製が行われる場合、RNAプライマーが結合した部分へDNAポリメラーゼが結合し、複製が開始されましたね。
PCR法では、RNAプライマーではなくDNAプライマーを使っているので注意しましょう。
このように、60℃でDNAプライマーが相補的な配列で1本鎖DNAに結合することをアニーリングといいます。
伸長⇒DNAポリメラーゼが相補的な配列を合成
最後に、反応液を72℃に加熱します。
72℃は、耐熱性のDNAポリメラーゼが活性化する温度です。
DNAポリメラーゼは、1本鎖DNAに対して相補的なDNAを合成します。
このとき、試験管内のヌクレオチドを材料としてDNAが合成されることが特徴です。
このように、72℃でDNAポリメラーゼが1本鎖DNAに対して相補的な配列を合成することを伸長といいます。
変性、アニーリング、伸長のプロセスによって、1本の2本鎖DNAは2本の2本鎖DNAに増幅します。
最初の2本鎖DNAの本数の2倍のDNAが作られるということですね。
ここまでで1つのサイクルです。
1サイクルごとに2倍になる
PCR法では、3つのサイクルを何度も繰り返すことによってDNAを増幅させ続けることができるのです。
例えば、1本の2本鎖DNAに対して、変性、アニーリング、伸長のプロセスを1サイクル行った場合、2本鎖DNAは2本になります。
同様の操作を5サイクル行った場合、2本鎖DNAは2×2×2×2×2=32本になります。
1サイクルごとに2倍になると覚えておきましょう。
PCR法のプロセスについて、詳しく見ていきましょう。