5分でわかる!2n=4の染色体の組合せ
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この動画の要点まとめ
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2n=4の生物を例にして、染色体の組合せに注目しましょう。
ところで、2n=4とは、どのような意味でしょうか?
相同染色体の数を「n」と考えます。
相同染色体は2つで1対になっているので、「2n」は細胞あたりの染色体の数のことを指します。
つまり、「2n=4」とは、細胞あたり4本の染色体をもっているという意味になります。
図の細胞は、母由来の染色体と父由来の染色体を2本ずつもっています。
細胞の中では、母由来の染色体と父由来の染色体が1本ずつセットになっています。
これが相同染色体ですね。
今回は、長い染色体の組合せをNo.1とし、短い染色体の組合せをNo.2として説明していきます。
このような染色体をもつ生殖細胞は、減数分裂によってどのような配偶子を形成するのでしょうか?
2n=4の細胞から形成される配偶子の種類①
図の2n=4の細胞が減数分裂を行うと、第一分裂終了時に作られる細胞には2つのパターンが考えられます。
まずは1つ目のパターンを見ていきましょう。
次の図を見てください。
減数分裂は、第一分裂で相同染色体が対合し、新しい細胞に分配されました。
①のパターンは、No.1の母由来の染色体とNo.2の母由来の染色体が左の細胞へ分配されています。
また、No.1の父由来の染色体とNo.2の父由来の染色体が右の細胞へ分配されていますね。
この2つの細胞は、第二分裂によってどのような配偶子を形成するのでしょうか?
次の図を見てください。
1本の染色体は2つに裂けるような構造をしていました。
第二分裂終了時には、2本の染色体をもつ細胞が4つ作られます。
具体的には、No.1の母由来の染色体とNo.2の母由来の染色体をもつ細胞が2つ作られています。
そして、No.1の父由来の染色体とNo.2の父由来の染色体をもつ細胞が2つ作られていますね。
①のように第一分裂が起こると、最終的に2種類の配偶子が作られるのです。
2n=4の細胞から形成される配偶子の種類②
図の2n=4の細胞が減数分裂したときの2つ目のパターンを見ていきましょう。
次の図を見てください。
②のパターンは、No.1の母由来の染色体とNo.2の父由来の染色体が左の細胞へ分配されています。
また、No.1の父由来の染色体とNo.2の母由来の染色体が右の細胞へ分配されていますね。
この2つの細胞は、第二分裂によってどのような配偶子を形成するのでしょうか。
次の図を見てください。
No.1の母由来の染色体とNo.2の父由来の染色体をもつ細胞が2つ作られています。
そして、No.1の父由来の染色体とNo.2の母由来の染色体をもつ細胞が2つ作られていますね。
②も①と同じように、最終的に2種類の配偶子が作られました。
図の例から、2n=4の細胞から最終的に作られる配偶子は4種類あることが分かりました。
2n=4の細胞は、No.1とNo.2という2つの相同染色体のセットをもっていましたね。
また、それぞれが父由来と母由来の染色体で構成されていました。
最終的に作られる配偶子は、No.1の2つの染色体からどれを取り、No.2の2つの染色体からどれを取るかという組合せの数できるということです。
計算式で表すと、2×2=4通りとなります。
2n=46のヒトから形成される配偶子の種類
ヒトの場合は、何通りの配偶子が形成されるのでしょうか?
ヒトは46本の染色体をもっています。
つまり、2n=46の細胞をもっているということです。
今回の例に当てはめるなら、細胞の中にNo.1からNo.23までの相同染色体のセットをもっていることになります。
形成される配偶子は、No.1からNo.23まである中からそれぞれ父由来の染色体と母由来の染色体のどちらを取りかという組合せの数できるということです。
計算式で表すと、223=8288608通りとなります。
1人のヒトが配偶子を形成するだけでも、これだけの種類ができるということですね。
さらに、有性生殖では2人のヒトの配偶子が接合して新個体が生まれるので、新個体のもつ染色体の組合せは膨大な数になるのです。
このように考えてみると、同じ親から生まれた兄弟同士で見た目や性質が違うことにも納得できますね。
多様な配偶子が作られるプロセスと染色体の組合せについて、しっかりおさえておきましょう。
今回は、配偶子に含まれる染色体の組合せについて見ていきます。