今回は、染色体上の遺伝子について見ていきます。

次の図を見てください。
これは細胞内に見られる染色体です。

染色体はゲノムが断片化したものです。
父親と母親から受け継がれたゲノムは、それぞれ同じ箇所で切断されていました。
細胞の中では図のように、同形同大の母由来の染色体と父由来の染色体が1本ずつセットになっています。
このような染色体を、相同染色体といいましたね。

染色体上には様々な遺伝子が存在しています。
染色体上の遺伝子の位置を、遺伝子座といいました。

例えば、図で遺伝子Aと遺伝子aに注目してください。
これらは、それぞれの染色体で同じ遺伝子座に位置する遺伝子です。

この遺伝子座に、目に関する遺伝子が存在すると仮定しましょう。
するとそれぞれの染色体は「目が一重になる」、「目が二重になる」などの様々な目に関する遺伝情報をもっています。
このように、同じ遺伝子座に位置する複数種類の遺伝子を、対立遺伝子といいました。

遺伝子を表現するときに、「目を一重にする遺伝子」、「目を二重にする遺伝子」などといちいち表記するのは大変ですよね。
そこで、特定の形質に関する遺伝子の構成をアルファベットで表記するというルールがあります。
遺伝子を記号で表記したものを、遺伝子型といいます。

例えば、「目を一重にする遺伝子」をA、「目を二重にする遺伝子」をaとしましょう。
それぞれの親から、「目を一目にする遺伝子」と「目を二重にする遺伝子」を受け継いでいる人の遺伝子型はAaと表記されます。

それぞれの染色体上に様々な遺伝子が存在します。
多数ある遺伝子のうち2つに注目してみましょう。

図のAとCで示された遺伝子のように、2つの遺伝子が異なる染色体に存在する状態を、独立といいます。
また、図のAとBで示された遺伝子のように、2つの遺伝子が同じ染色体上に存在する状態を、連鎖といいます。

染色体上に存在する2つの遺伝子が独立か連鎖かは、配偶子の遺伝子型に影響を及ぼします。