今回は、組換え価について見ていきます。

細胞内の2つの遺伝子に注目した場合をイメージしてください。
2つの遺伝子が異なる染色体上に存在する状態を、独立といいました。
また、2つの遺伝子が同一の染色体上に存在する状態を、連鎖といいましたね。

2つの遺伝子が連鎖している場合、配偶子形成のときに乗換えという現象が起きることがあります。
乗換えとは、対合面での染色体の部分的な交換でしたね。

今回注目する組換え価は、乗換えという現象を踏まえて計算される値です。

次の図を見てください。
これは、連鎖した2つの遺伝子をもつ細胞が、減数分裂によって配偶子を形成している様子です。

図で一番左に描かれた遺伝子型AaBbの細胞は、遺伝子AとB、aとbがそれぞれ連鎖しています。
減数分裂が起こる前は、間期のうちのS期でDNAの複製が行われましたね。

2つの遺伝子が連鎖している場合、第一分裂のときに乗換えが起こることがあります。
図では、②の細胞で乗換えが起こっています。

乗換えを起こした②の細胞から形成された配偶子に注目してください。
Ab、aBといった遺伝子型をもつ配偶子が形成されていますね。
乗換えが起こると、もとの細胞がもっていなかった組合せの遺伝子が作られるという特徴がありました。
乗換えによって新しく作られた組合せの遺伝子は、組換え遺伝子と呼ばれます。

組換え価とは、全配偶子の中で組換え遺伝子をもつ配偶子が占める割合を、パーセント表記した値です。