5分でわかる!卵割の特徴
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この動画の要点まとめ
ポイント
体細胞分裂:G1期⇒S期⇒G2期⇒M期
卵割は、発生の初期に見られる受精卵の体細胞分裂でした。
卵割は通常の体細胞分裂とどのように異なるのでしょうか?
まずは、通常の体細胞分裂について確認します。
次のグラフを見てください。
これは、通常の体細胞分裂におけるDNA量の変化を表したグラフです。
縦軸は細胞あたりのDNA量、横軸は時間を表しています。
細胞分裂では、間期と分裂期(M期) が交互に訪れます。
間期は、G1期(DNA合成準備期) 、S期(DNA合成期)、G2期(分裂準備期) に分けられました。
体細胞分裂:S期終了時にDNA量が2倍
グラフには、これらの期間が示されていますね。
それぞれの時期のDNA量に注目しましょう。
グラフにおいて、G1期とG2期ではDNA量の変化が見られませんね。
しかし、S期終了時にDNA量が2倍へ増加していきます。
これはDNAが複製されたことを表しています。
体細胞分裂:M期終了時にDNA量が半減
細胞は間期のあとにM期を迎えます。
細胞はM期を終えると2つに分裂し、DNAが新しい細胞へ等量ずつ分配されます。
グラフを見ると、M期終了時にDNA量が半減していますね。
体細胞分裂では、もとの細胞と新しい細胞のDNA量は変化しないことが特徴でした。
グラフでは、M期終了時のDNA量はM期を迎える前のG1期のDNA量と同じであることが分かります。
卵割:S期⇒M期
通常の体細胞分裂に対して、卵割はどのような体細胞分裂を行うのでしょうか。
次のグラフを見てください。
これは、卵割におけるDNA量の変化を表したグラフです。
グラフを見ると、G1期とG2期がありませんね。
卵割では、S期とM期だけが交互に訪れることが特徴です。
S期ではDNAの複製が起こり、DNA量が2倍になっています。
そして、M期終了時に細胞あたりのDNA量が半減します。
DNA量が増えるタイミング・減るタイミングは、通常の体細胞分裂と同じですね。
卵割の特徴は3つ
グラフから、卵割の特徴を3つ見ていきましょう。
次のグラフを見てください。
卵割の1つ目の特徴は、分裂速度が速い(細胞周期が短い) ということです。
通常の体細胞分裂のグラフと卵割のグラフを比較してみましょう。
卵割はG1期とG2期がないことが特徴でした。
そのため、通常の体細胞分裂と比べてM期が終了するまでにかかる時間が短くなります。
2つ目の特徴は、細胞が成長しないということです。
通常の体細胞分裂にはG1期がありました。
G1期とは、分裂した細胞がもとの大きさにまで成長する時期です。
通常の体細胞分裂では、分裂によって半分の大きさになった細胞がもとの細胞の大きさにまで成長してから、再び分裂期を迎えるのです。
それに対して、卵割にはG1期がありませんでした。
そのため、分裂したあとも細胞の大きさは変わることなく、再び分裂が起こります。
卵割が起こるごとに細胞1つの大きさが徐々に小さくなるということですね。
3つ目は、同調分裂をするということです。
通常の体細胞分裂と卵割の細胞周期を比較してみましょう。
まずは、通常の体細胞分裂です。
肝臓の細胞の細胞周期は長いですが、がん細胞の細胞周期はとても短いことが知られています。
このような違いは、それぞれの細胞のG1期の長さの違いから生まれるものです。
これに対して、卵割にはG1期とG2期がありませんでしたね。
そのため、どれだけ卵割が進んだとしても、卵のすべての細胞が同じタイミングでS期とM期を迎えるのです。
このような分裂を、同調分裂といいます。
卵割の特徴について見ていきましょう。