5分でわかる!桑実胚~胞胚
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この動画の要点まとめ
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卵割腔が生じる桑実胚期、繊毛が生じる胞胚期
ウニは、16細胞期胚になったあとも、32細胞期胚、64細胞期胚、128細胞期胚というように卵割を繰り返して細胞数が増えることになります。
このとき、増えてきた細胞は胚の外側へと移動するという特徴があります。
すると、胚の内側に隙間ができ始めるのです。
次の図を見てください。
これは、ウニの胚の断面図です。
図では、胚の内側に隙間ができていますね。
このように内側に隙間が現れた胚を、桑実胚といいます。
この名前は桑の実の中に隙間があることに由来しています。
また、割球が外側へ移動することによって生じる胚の内側の隙間を、卵割腔といいます。
この時点では、胚はまだ卵割を続けています。
さらに細胞の数が増えていくとどうなるのでしょうか。
次の図を見てください。
卵割が繰り返されたことで、細胞1つ1つがより小さくなっていますね。
また、細胞のまわりに毛のようなものが生えているのが分かりますか?
これを繊毛といいます。
このように外側の細胞に繊毛が現れた胚を、胞胚といいます。
また、胚の内側の隙間は胞胚腔という名前に変わります。
繊毛はどのような役割を果たしていると思いますか?
実は、これらの繊毛が波打つことによって胞胚は運動性をもち、泳ぐことができるのです。
胚は、もともと受精膜におおわれていましたね。
胞胚期に胚が運動性をもつと、受精膜を破って外へと出ていきます。
この現象を、ふ化といいます。
ここまでは、卵割という体細胞分裂によって胚の細胞数が増えていましたね。
卵割は胞胚期にて終了し、通常の体細胞分裂が始まります。
卵割ではG1期やG2期がなく細胞分裂を繰り返していることが特徴でした。
しかし、ここからは、G1期やG2期が訪れて1つ1つの細胞が成長し始めるのです。
ウニの胚は透明で観察しやすい
ウニはヒトと同じ卵であるため、ヒトの初期発生のモデル動物として使われていましたね。
実は、ウニがモデル動物として使われるもう1つの理由があります。
それは、ウニの胚は透明であることです。
ウニの胚が桑実胚になったと判断する基準は、胚の内側に卵割腔ができることでした。
ウニの胚は透明であるため、輪切りなどにする必要がなく、桑実胚期を迎えたタイミングを知ることができるのですね。
ウニの発生過程について見ていきましょう。
今回は、桑実胚から胞胚になるまでに注目します。