5分でわかる!受精卵~8細胞期胚
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この動画の要点まとめ
ポイント
受精卵が表層回転を起こし灰色三日月が出現
次の図を見てください。
これは、精子が融合しているカエルの卵です。
カエルの卵には、黒い部分と白い部分があります。
受精する前は動物極と植物極の位置は決まっていませんが、受精することで黒い部分が動物極、白い部分が植物極になるのです。
カエルは端黄卵の生物です。
端黄卵は、卵黄が植物極側に偏って分布していることが特徴でしたね。
カエルの卵の卵黄は、図で白く示されている部分なのです。
カエルの卵に対して図のように精子が融合して受精したとしましょう。
すると、受精卵にはある変化が見られるのです。
次の図を見てください。
図では、精子が卵に対して左上から侵入していますね。
すると、精子侵入点へ動物極が移動するように、卵の黒い部分が移動します。
図で、卵の黒い部分が反時計回りに少し回転していますね。
この現象を、表層回転といいます。
卵の黒い部分が移動すると、精子侵入点の反対側に灰色の部分が現れます。
次の図を見てください。
これは、上で表層回転を起こした卵を、精子侵入点を真上にして右側から観察した様子です。
卵の黒い部分が移動することで、三日月のような形をした灰色の部分が現れます。
この領域を灰色三日月といいます。
灰色三日月は、将来原口背唇部という部分になります。
とても重要な部分なので、覚えておきましょう。
等割の経割⇒等割の経割⇒不等割の緯割
カエルの受精卵は、どのような卵割を起こすのでしょうか。
次の図を見てください。
これは、カエルの受精卵の卵割の様子です。
図の一番左には、受精膜におおわれた受精卵が模式的に描かれていますね。
カエルの受精卵もウニと同様に、経割、経割、緯割という順番で卵割が起こります。
経割は極どうしを結んだ面での卵割、緯割は赤道面に平行な面での卵割でしたね。
第一卵割と第二卵割では等割が起こります。
そのため、4細胞期胚は同じ大きさの4つの割球からなっているのです。
第三卵割がポイントです。図の8細胞期胚に注目してください。
ウニの受精卵の第三卵割では、胚の赤道面で緯割が起こっていましたね。
カエルの受精卵の第三卵割はウニと異なり、赤道面よりも動物極側で緯割が起こっています。
第一卵割と第二卵割が等割なのに対し、不等割が起こっているということです。
なぜ第三卵割は不等割なのでしょうか?
カエルは端黄卵で、卵黄が植物極側に偏って分布していましたね。
卵黄は発生の栄養源です。
しかし同時に、卵黄は卵割に対して阻害的に働くという性質があります。
そのため、第三卵割では赤道面ではなく、動物極側にて緯割が起こるのです。
カエルの卵の精子侵入点の180°反対側では、将来陥入が起こるという性質があります。
陥入とは、発生過程で細胞層が内部へ引き込まれる現象でした。
また、陥入によって生じた穴を原口といい、これは将来肛門になる部分でした。
カエルは、受精の時点で肛門の位置が決まるということですね。
カエルの発生過程を、ウニの発生過程と比較しつつおさえましょう。
カエルの発生過程について見ていきましょう。
今回は、受精卵から8細胞期胚になるまでに注目します。