5分でわかる!ショウジョウバエのホメオティック遺伝子
- ポイント
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
8つの遺伝子の発現の組合せで器官決定
体節決定によってショウジョウバエの胚には14の体節が形成されましたね。
このあと、各体節でホメオティック遺伝子が発現することで各体節の形態が決定されます。
ホメオティック遺伝子は、ショウジョウバエのゲノムの中の第三染色体にあります。
そして、ホメオティック遺伝子は8つの遺伝子の組合せによって構成されていることが特徴です。
そのため、多数ある体節の領域で様々な器官を形成することができるのです。
ショウジョウバエの胚の各体節は、成体になるとどのような形態になるのでしょうか。
次の図を見てください。
左図は、分節遺伝子であるセグメントポラリティー遺伝子の発現によって14の体節が形成されたショウジョウバエの胚です。
胚の各領域が、様々な色で塗り分けられています。
右図はショウジョウバエの成体です。
2つの図から、胚のどの領域が成体のどの構造を決定しているかがわかるようになっています。
アンテナペディア複合体とバイソラックス複合体
成体の各器官は、ホメオティック遺伝子の発現の組合せによって決定されました。
ホメオティック遺伝子の発現の組合せは、体節を決定した分節遺伝子の濃度や状態に基づいて決まるという特徴があります。
成体の各領域の器官が決定されるとき、ホメオティック遺伝子の組合せは大きく2つに分けられます。
頭部から胸部にかけての構造を決定するホメオティック遺伝子を、アンテナペディア複合体といいます。
一方、胸部から尾部にかけての構造を決定するホメオティック遺伝子を、バイソラックス複合体といいます。
ホメオティック遺伝子の1つ1つの遺伝子配列に注目すると、どの遺伝子にも共通している配列が見られます。
このような配列を、ホメオボックスといいます。
ホメオボックスから作られるアミノ酸はどれも共通しています。
このアミノ酸配列を、ホメオドメインといいます。
ホメオドメインのアミノ酸配列は生物の種類が違っていても極めてよく似ていることが特徴で、ショウジョウバエとヒトでも約90%が共通しているのです。
このようなホメオティック遺伝子を総称して、Hox遺伝子群といいます。
ホメオティック遺伝子の発現について学習していきます。
ショウジョウバエの器官決定を例に考えていきましょう。