高校生物
5分でわかる!局所生体染色法
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この動画の要点まとめ
ポイント
局所生体染色法
これでわかる!
ポイントの解説授業
発生に影響しないナイル青と中性赤で胚を染色
フォークトはまず、両生類の胞胚を用意しました。
胞胚の表面を見ても、どの領域がどのような組織や器官になるかは分かりませんね。
そこで、フォークトは胚表面の各領域に色をつけたのです。
これは両生類の胞胚の表面図です。
胞胚の表面が11の領域に分けられ、色がつけられています。
このときには、生体染色液が使われます。
生体染色液は、染色によって組織を破壊することのない染色液です。
しかし、生体染色液によって胚を染色することで、分化に影響が及ぶ可能性が考えられます。
フォークトは、生体染色液を厳しく選定しました。
彼が実験に用いた生体染色液は、ナイル青(ナイルブルー) と中性赤(ニュートラルレッド) です。
ナイル青と中性赤は、発生に影響しないことが特徴です。
胞胚のどの領域がどのような組織・器官になるかが明らかに
ナイル青と中性赤によって染色された胚は、発生の過程が進むとどのようになるのでしょうか?
右図は、染色された胞胚が尾芽胚まで成長したものです。
それぞれの胚の領域に記された番号は対応しています。
胚表面の各領域は、染色されたまま成長していくということですね。
このように発生過程が進んで最終的に成体になると、胞胚のどの領域がどのような組織・器官になるかを調べることができるのです。
局所生体染色法とは、胚の染色領域がどのような組織・器官になるか追跡し、染色領域の運命を明らかにする手法です。
フォークトの実験における局所生体染色法について見ていきましょう。