5分でわかる!花粉の形成
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この動画の要点まとめ
ポイント
植物は、その種類によって、さまざまな配偶子を形成します。
今回は、被子植物の配偶子形成について見ていきましょう。
花粉母細胞⇒花粉四分子
次の図は、被子植物の配偶子ができる様子を模式的に表しています。
左にある、花弁を取り除いた被子植物の断面図を見てください。
花の中央にはめしべがあり、めしべからはおしべが伸びています。
おしべの先端には、 葯(やく) または花粉のうとよばれる袋状のつくりがあります。
葯の中には、配偶子のもとになる細胞が入っています。
配偶子のもとになる細胞を、花粉母細胞といいます。
「母」という文字から、花粉を生み出すことがイメージできますね。
この花粉母細胞から、どのように配偶子ができてくるのか、見ていきましょう。
まず、花粉母細胞は減数分裂を経て、4つの花粉四分子を生じます。
減数分裂は、2回の連続した分裂でしたね。
そのため、1つの花粉母細胞からは、2×2=4つの花粉四分子が作られるのです。
「母」という漢字が付く細胞は、減数分裂の直前の状態であることを覚えておくとよいですね。
ただし、花粉四分子は、まだ花粉としては未成熟の状態です。
花粉四分子は花粉とは異なるので注意しましょう。
花粉四分子⇒花粉
続けて、花粉四分子は体細胞分裂を経て、花粉になります。
体細胞分裂は、クローンが作られる分裂でしたね。
花粉は、2つの細胞で構成されることになります。
このときの2つの細胞は、大きな花粉管細胞の中に小さな雄原細胞が含まれる構造をしています。
また、花粉管細胞の核を花粉管核といいます。
図では、花粉のまわりがギザギザしていますね。
これは細胞壁です。
花粉が生じるときは、細胞壁の形態が様々に変化することが特徴です。
細胞壁の形態が変わることで、風に乗りやすくなったり、虫にくっつきやすくなったりして、花粉がより運ばれやすくなるのです。
核相が減少するのは、花粉母細胞⇒花粉四分子
有性生殖を行う細胞の状態を染色体数の構成で表現したものを、核相といいました。
花粉形成のプロセスにおいて、細胞の核相がどのように変化するのか確認しましょう。
花粉母細胞はそれぞれの親から染色体を受け継いでおり、核相を2nと表します。
減数分裂が起こると、細胞の中の染色体数は半減しました。
よって、花粉四分子の核相はnと表されます。
花粉四分子から花粉が生じる過程では体細胞分裂が起こります。
体細胞分裂によって生じる花粉に含まれている花粉管細胞の核相はn、雄原細胞の核相もnです。
被子植物の配偶子は、花粉ではなく精細胞
1つの細胞からは4つの花粉が生じました。
注意しなければならないのは、花粉は配偶子ではないということです。
配偶子は、接合によって新しい個体を作る細胞のことです。
花粉はめしべの柱頭に結合する受粉を行いますが、受精をするわけではないので注意しましょう。
被子植物における雄性配偶子は、雄原細胞からできる精細胞というものです。
被子植物の花粉の形成を見ていきましょう。