5分でわかる!卵細胞の形成
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この動画の要点まとめ
ポイント
胚のう母細胞⇒胚のう細胞⇒胚のう
次の図を見てください。
図の左は、花弁を取り除いた被子植物の断面図です。
花の中央にはめしべがあります。
めしべの内部には胚珠があり、胚珠を包むように子房があります。
子房が胚珠を包んでいるのが被子植物の特徴でしたね。
図で、胚珠の中には、円形のつくりが描かれていますね。
これは胚のう母細胞です。
胚のう母細胞は、減数分裂を経て、4つの細胞を生じます。
「母」という漢字が付く細胞は減数分裂の直前の状態であることを示していましたね。
胚のう母細胞から生じた4つの細胞のうち、3つは消失してしまいます。
残った1つの細胞を胚のう細胞と呼び、これが配偶子形成のプロセスを進んでいくのです。
続けて、胚のう母細胞は3回の核分裂を経て、胚のうを生じます。
核分裂では、細胞自体は分裂せず、細胞に含まれている核が分裂することが特徴です。
3回の核分裂が起こると、胚のう細胞に含まれる核は、2つ、4つ、8つと増えていきます。
図では、胚のうの中に8つの核が含まれていることがわかりますね。
1つの胚のう母細胞⇒1つの卵細胞
胚のうでは、細胞質分裂が起こります。
細胞質分裂では、胚のう内の核が位置を変えながら、核のまわりに仕切りが入っていきます。
図で確認しましょう。
図の右下には、胚のうの断面の拡大図が描かれています。
胚のうの一番外側は、珠皮でおおわれています。
珠皮はめしべの組織の一部が外れてできたものです。
図で、胚のうの下側の珠皮に穴があいているのが分かりますか?
これは精細胞が送り込まれるための穴で、珠孔といいます。
そして、胚のうの中に8つの核が描かれており、上部に3つ、中央に2つ、下部に3つあります。
上部の3つの核と下部の3つの核には仕切りができて、細胞となっていますね。
珠孔の内側に位置している細胞を、卵細胞といいます。
この卵細胞が配偶子であり、精細胞と受精することになります。
卵細胞の両側に位置する細胞を、助細胞といいます。
助細胞は、卵細胞の受精を助けるような働きをします。
また、図で胚のうの上側に描かれた3つの細胞を反足細胞といいます。
さらに、胚のう内の6つの細胞をおおうようにして、珠皮のすぐ内側に大きな細胞ができていますね。
これを中央細胞といいます。
中央細胞は、6つの細胞を包んでおり、2つの核をもっています。
この2つの核を極核といいます。
核相が減少するのは、胚のう母細胞→胚のう細胞
有性生殖を行う細胞の状態を染色体数の構成で表現したものを、核相といいました。
卵細胞形成のプロセスで、核相がどのように変化するのか確認しましょう。
胚のう母細胞はそれぞれの親から染色体を受け継いでおり、核相を 2n と表します。
減数分裂が起こると、細胞の中の染色体数は半減しました。
よって、胚のう細胞以降の核相は n となります。
1つの卵細胞、2つの助細胞、3つの反足細胞も、それぞれ核相は n です。
また、中央細胞は2つの極核をもっているため、核相は (n+n) と表します。
胚のうは、7つの細胞で構成される組織です。
また、この組織のうち配偶子は卵細胞でした。
1つの胚のう母細胞からは、1つの卵細胞が生じることもポイントです。
被子植物の卵細胞の形成を見ていきましょう。