5分でわかる!ホメオティック突然変異体(ABCモデル)
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この動画の要点まとめ
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ホメオティック突然変異体は、遺伝子の欠損によって生じる
花の形態は、A遺伝子、B遺伝子、C遺伝子というホメオティック遺伝子の発現の組合せによって決定します。
これをABCモデルといいました。
このとき、ホメオティック遺伝子に異常が起きて、本来の位置の器官が別の器官に置き換わることがあります。
このようにして生じる突然変異体のことを、ホメオティック突然変異体といいます。
本来の位置の器官が別の器官に置き換わる
ABCモデルを思い出してください。
花の外側でA遺伝子、中心部でC遺伝子が発現し、2つの遺伝子発現領域をまたぐようにしてB遺伝子の発現領域が位置していました。
そのため、遺伝子発現領域は4つの領域に分けられましたね。
それぞれの遺伝子が欠損した場合、どのような花が形成されるのでしょうか?
これはA遺伝子欠損体です。
A遺伝子欠損体はA遺伝子が発現しなくなり、代わりにその領域でC遺伝子が発現することが特徴です。
外側の領域と中心の領域ではC遺伝子のみが発現するため、めしべが分化します。
その他の領域ではB遺伝子とC遺伝子が発現するため、おしべが分化します。
よって、図のようにめしべとおしべのみからなる花が形成されます。
これはB遺伝子欠損体です。
B遺伝子欠損体ではB遺伝子が発現せず、A遺伝子とC遺伝子のみが発現します。
外側の領域ではA遺伝子のみが発現するため、がくが分化します。
中心の領域ではC遺伝子のみが発現するため、めしべが分化します。
よって、図のようにがくとめしべのみからなる花が形成されます。
これはC遺伝子欠損体です。
C遺伝子欠損体はC遺伝子が発現しなくなり、代わりにその領域でA遺伝子が発現することが特徴です。
外側の領域と中心の領域ではA遺伝子のみが発現するため、がくが分化します。
その他の領域ではA遺伝子とB遺伝子が発現するため、花弁が分化します。
よって、図のようにがくと花弁からなる花が形成されます。
ホメオティック突然変異体では、形状のおかしい器官が形成されるのではありません。
完璧な器官が全く別の部位に形成されることが特徴です。
ABCモデルのホメオティック突然変異体について見ていきましょう。