5分でわかる!光によるオーキシンの輸送
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この動画の要点まとめ
ポイント
芽ばえは光の方に向かうように屈曲して成長します。
これを正の光屈性といいました。
光が芽ばえに当たると、芽の先端で合成されたオーキシンは先端から下がった位置で光が当たっている側の反対側へ移動します。
すると、その領域で成長が促進され、芽ばえ全体が光へ向かっていくように成長するのです。
フォトトロピンがPINを光の反対側へ移動
なぜ芽ばえに光が当たるとオーキシンの輸送が起こるのでしょうか?
次の図を見てください。
これは、芽ばえの芽の先端を拡大したものです。
植物細胞が3つ並び、左側から光が当たっていますね。
植物細胞には2種類の輸送タンパク質が存在しています。
AUX1タンパク質とPINタンパク質です。
図では、AUX1タンパク質が黒い正方形の構造物で、PINタンパク質が灰色の長方形の構造物で描かれています。
植物細胞には、フォトトロピンという光受容タンパク質があります。
図では、フォトトロピンがV字型の構造物で示されています。
フォトトロピンは光を受容すると整列し、PINタンパク質を光と反対の方の細胞膜へ移動させる性質があります。
オーキシンが光の反対側へ輸送⇒正の光屈性
細胞の上側では、光が当たっている場所が白く、光が届いていない場所が黒く、帯状に示されています。
左と中央の細胞には光が届き、右の細胞には光が届いていないということです。
左と中央の細胞に注目してください。
フォトトロピンが整列し、PINタンパク質が細胞の右側へ移動していますね。
一方、右の細胞に注目してください。
フォトトロピンは整列せず、PINタンパク質は重力にしたがって細胞の下側に位置しています。
PINタンパク質は、オーキシンを細胞外へ排出する輸送タンパク質です。
そのため、図ではオーキシンが右側へ輸送されます。
またAUX1タンパク質は、オーキシンを細胞内に取り込む輸送タンパク質です。
左隣の細胞から輸送されたオーキシンは、AUX1タンパク質によって細胞内へ取り込まれます。
このようにな輸送タンパク質の働きによって、オーキシンは次々と右の細胞へ輸送されるのです。
右の細胞には光が届いていませんでしたね。
そのため、フォトトロピンは整列せず、PINタンパク質は細胞の下部に位置しています。
右の細胞へ輸送されたオーキシンは、次に下方向へと輸送されます。
このようにして、光が当たっている側の反対側でオーキシンが高濃度になっていくのです。
結果的に、その領域で成長が促進され、正の光屈性が起こります。
正の光屈性は、フォトトロピン・PINタンパク質・AUX1タンパク質が連動して働くことで、オーキシンが輸送された結果起こる現象なのです。
今回は、光によるオーキシンの輸送に注目します。