5分でわかる!重力屈性のメカニズム
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この動画の要点まとめ
ポイント
先端と根の地面側でオーキシンが高濃度に
重力屈性とは、重力に対して植物が示す屈性です。
重力屈性には、オーキシンという植物ホルモンが関与しています。
次の図を見てください。
これは水平に置かれた芽ばえです。
図では、オーキシンが点で描かれています。
通常の芽ばえは、先端にも根にもほぼ一様にオーキシンが存在しています。
しかし、芽ばえを水平に置くとオーキシンは地面側で高濃度になるのです。
なぜこのような変化が見られるのでしょうか。
植物細胞の細胞膜には、オーキシンを輸送するタンパク質があります。
オーキシンを細胞外へ排出する輸送するタンパク質はPINタンパク質でした。
PINタンパク質は、重力などの影響を受けて分布が変化することが特徴です。
芽ばえが水平に置かれると、PINタンパク質は細胞膜の地面側に偏って分布します。
そのため、オーキシンは次々と地面側へ輸送されるのです。
図で、先端も根も地面側でオーキシンが高濃度になっていますね。
すると、先端と根はそれぞれ異なる成長を示すのです。
次のグラフを見てください。
グラフは、縦軸が成長の度合い、横軸がオーキシン濃度です。
先端では、オーキシン濃度が高いときに成長が促進されます。
根では、オーキシン濃度が低いときに成長が促進され、濃度が高くなると成長が抑制されるのです。
先端は地面側が成長、根は地面の反対側が成長
水平に置かれた芽ばえは、どのように成長するのでしょうか?
先端は、地面側でオーキシンが高濃度になっています。
すると、この領域では成長が促進されます。
根も、地面側でオーキシンが高濃度になっています。
すると、この領域では成長が抑制されるのです。
先端も根も地面側でオーキシンが高濃度になっていますが、それぞれ異なる成長を示すということですね。
右下の図は、水平に置かれた芽ばえが成長した様子です。
先端では、地面側がより成長します。
一方、地面の反対側はあまり成長しません。
そのため、重力方向に逆らい、上方向へ成長するのです。
先端では負の重力屈性が見られます。
根では、地面の反対側がより成長します。
一方、地面側はあまり成長しません。
そのため、重力方向にしたがい、下方向へ成長するのです。
根では正の重力屈性が見られます。
芽ばえは、縦にしたときも水平にしたときも、先端は重力に逆らう方向へ、根は重力にしたがう方向へ伸長するということですね。
植物は、何らかの原因で水平になったとしても、先端は光が当たる方向へ、根は地面へと成長することができるのです。
オーキシンによる重力屈性のメカニズムをおさえましょう。
重力屈性のメカニズムを見ていきましょう。