5分でわかる!花芽形成ホルモン「フロリゲン」
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この動画の要点まとめ
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花芽を形成するホルモンの存在は1936年から提唱されていました。
しかし、その実態は長い間分かりませんでした。
フロリゲンの正体が突き止められたのはいつだと思いますか?
実は、2007年なのです。
花芽形成ホルモンの存在が提唱されてから約70年後に、ようやくフロリゲンの正体が明らかにされました。
以前から知られていた、シロイヌナズナに含まれるFTタンパク質やイネに含まれるHd3aタンパク質が、花芽を形成するフロリゲンであることが分かったのです。
フロリゲンは花芽形成ホルモンであり、FTタンパク質やHd3aタンパク質といった種類があることを覚えておきましょう。
フロリゲンの特徴は4つ
次の図を見てください。
これは、植物体の中でフロリゲンが合成される様子です。
花芽形成ホルモンのフロリゲンにはどのような特徴があるのでしょうか。
フロリゲンの特徴は4つあります。
フロリゲンの1つ目の特徴は、葉で合成されることです。
植物は暗期の長さを認識して花芽形成を行っていました。
植物は、葉で暗期の長さを認識しているということですね。
2つ目の特徴は、光で分解されないことです。
フロリゲンは、葉が暗期を認識する夜間に合成されます。
しかし、朝を迎えて日に当たってもフロリゲンが分解されることはありません。
一度合成されたフロリゲンは活性をもち、日中も植物体の中に留まって花芽形成を促進するのです。
3つ目は、師管を通って植物体全体に輸送されることです。
フロリゲンは師管によって植物体の先端へ運ばれ、花芽形成を促進します。
また、図を見るとフロリゲンは植物体の下方向へも運ばれていますね。
フロリゲンは植物体の先端だけでなく、植物体全体へ輸送されることがポイントです。
最後に、フロリゲンは長日植物と短日植物に共通して見られる花芽形成ホルモンです。
長日植物の限界暗期は約11時間で、暗期が約11時間以下になると花を咲かせました。
つまり、暗期が約11時間以下でフロリゲンが合成されるということです。
短日植物の限界暗期は約13時間で、暗期が約13時間以上になると花を咲かせました。
つまり、暗期が約13時間以上でフロリゲンが合成されるということです。
どちらの植物も、フロリゲンを合成するうえで暗期の認識の仕方は異なりますが、同じ花芽形成ホルモンが使われているということですね。
花芽形成ホルモンのフロリゲンについて見ていきましょう。