5分でわかる!気孔の開閉
- ポイント
- ポイント
- 練習
この動画の要点まとめ
ポイント
K+流入⇒浸透圧上昇⇒膨圧上昇⇒開口
気孔は、2つの孔辺細胞によって生じる隙間のことです。
植物はどのように気孔を開閉するのでしょうか。
次の図を見てください。
これは気孔が閉口している様子です。
図では、2つの孔辺細胞がぴったりとくっついて気孔が閉じていますね。
孔辺細胞のまわりにはカリウムイオンや水が存在しています。
朝になって日が昇ると、孔辺細胞に光が当たり、周囲の気温が上昇します。
すると、それらの刺激に応じてカリウムイオンが孔辺細胞に流入するのです。
孔辺細胞にカリウムイオンが流入すると、孔辺細胞の中の浸透圧が上昇します。
浸透圧とは、水を自身へ引っ張り込む力でしたね。
よって、孔辺細胞の浸透圧上昇にともない、まわりの水が孔辺細胞に流入します。
孔辺細胞は吸水によって体積が増加します。
体積増加によって、孔辺細胞の細胞膜が細胞壁を押す力が生じます。
細胞膜が細胞壁を押す力を膨圧といいましたね。
孔辺細胞の膨圧が上昇すると、どのような変化が起こるのでしょうか?
通常は細胞の膨圧が上昇すると、細胞全体が一様に大きくなります。
しかし、孔辺細胞には通常と異なる変化が見られるのです。
図で、孔辺細胞の細胞壁は、気孔側とその反対側で厚さが違うことが分かりますか?
気孔側の細胞壁は厚いため伸縮しにくく、反対側の細胞壁は薄いため伸縮しやすいのです。
そのため、孔辺細胞の膨圧が上昇すると、気孔側の細胞壁はあまり伸びず、反対側の細胞壁がよく伸びます。
図は気孔が開口している様子です。
膨圧上昇によって孔辺細胞が湾曲していますね。
孔辺細胞の細胞壁の厚さが一様でないために、隙間が生じるのです。
植物が気孔を開ける目的は、二酸化炭素の取り込みや蒸散です。
気孔から二酸化炭素を取り込むことで、植物は光合成を行うことができます。
また、水蒸気を放出するときの気化熱によって、植物体の体温上昇を抑えることができるのです。
K^+^流出⇒浸透圧低下⇒膨圧低下⇒閉口
気孔はどのようなメカニズムで閉じるのでしょうか。
日が暮れてくると、孔辺細胞には光が当たらなくなり、周囲の気温が低下します。
すると、それらの刺激に応じてアブシシン酸という植物ホルモンが分泌されます。
アブシシン酸は乾燥によっても分泌される性質があります。
孔辺細胞にアブシシン酸が作用すると、カリウムイオンが孔辺細胞から流出します。
すると、孔辺細胞の中の浸透圧が低下します。
孔辺細胞の浸透圧低下にともない、孔辺細胞は水を排出するのです。
孔辺細胞は排水によって体積が減少します。
体積が減少すると、孔辺細胞の膨圧が低下していきます。
膨圧の低下によって、孔辺細胞の湾曲状態が解消され、気孔が閉口するのです。
気孔が閉じるときには、アブシシン酸が作用することがポイントです。
それ以外は、気孔閉口のプロセスは基本的に気孔開口のプロセスの逆ですね。
気孔の開閉のメカニズムをおさえましょう。
気孔の開閉のメカニズムを見ていきましょう。