高校生物
5分でわかる!食害に対する防御反応
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この動画の要点まとめ
ポイント
食害に対する防御反応
これでわかる!
ポイントの解説授業
システミンとジャスモン酸が連動して作用
食害とは、昆虫などによって植物が食べられることです。
植物は、食害に対してどのような防御反応を示すのでしょうか。
次の図を見てください。
これは、植物の食害に対する防御反応です。
左には、食害を受けた葉が描かれていますね。
食害を受けた葉では、システミンという植物ホルモンが合成されます。
システミンは植物体の様々なところへ輸送され、植物細胞に作用します。
システミンはどのような働きをするのでしょうか。
図の中央には、植物細胞の一部を拡大した断面図が描かれています。
細胞膜には、システミンを受容する受容体が存在します。
食害によって合成されたシステミンは、細胞膜の受容体に結合するのです。
システミンが細胞膜の受容体に結合すると、ジャスモン酸という植物ホルモンが合成されます。
ジャスモン酸にはタンパク質分解酵素阻害物質の合成を誘導する性質があります。
ジャスモン酸の合成にともなって、植物細胞の中にはタンパク質分解酵素阻害物質が蓄積されていくのです。
この植物細胞を含む葉を昆虫が食べると、どうなるのでしょうか。
昆虫の体内にはタンパク質分解酵素阻害物質が取り込まれます。
この阻害物質には、タンパク質の消化を妨げる働きがあります。
そのため昆虫は、食べた葉に含まれるタンパク質を消化して栄養にすることができなくなるのです。
この防御反応によって、昆虫はこの植物を食べなくなります。
植物は、システミンとジャスモン酸の連動した作用によって昆虫による食害を減少させるのですね。
植物の食害に対する防御反応のメカニズムをおさえましょう。
植物の食害に対する防御反応を見ていきましょう。