5分でわかる!高低の認識:聴細胞
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この動画の要点まとめ
ポイント
みなさんは、音の高低を認識するためには、基底膜の幅の違いが重要であることを学びましたね。
このような違いは、聴細胞にも影響を及ぼしています。
今回は、聴細胞に注目しましょう。
感覚毛::卵円窓側は太く短い、蝸牛頂側は細く長い
次の図を見てください。
下の図は、まっすぐに伸ばしたうずまき管を上から見た様子を表した模式図です。
うずまき管の中に描かれた台形のつくりが基底膜です。
基底膜は、卵円窓側と蝸牛頂側で幅が異なります。
高い音は卵円窓側で、低い音は蝸牛頂側で認識されるのでしたね。
上の図は、基底膜とコルチ器を横から見た様子です。
基底膜の上には2つの聴細胞がのっていますね。
卵円窓側の基底膜に乗った聴細胞を見てください。
この聴細胞の感覚毛は、太くて短く、弾力性が高いことが特徴です。
次に、蝸牛頂側の基底膜に乗った聴細胞を見てください。
この聴細胞の感覚毛は、細くて長く、弾力性が低いことが特徴です。
なぜ、感覚毛にはこのような違いが見られるのでしょうか?
感覚毛:高弾力で高音に対応、低弾力で低音に対応
卵円窓側の聴細胞について考えてみましょう。
この領域では20000Hzの高音が認識されます。
つまり、感覚毛がおおい膜に触れて変形してからもとに戻るという動作が、1秒間に20000回も繰り返されるということですね。
弾力性が高い感覚毛は、おおい膜に触れて変形したあとすぐにもとの形に戻ることができます。
よって、20000回の振動を興奮に変換することができるのです。
弾力性が高い感覚毛は、高振動数(高音)に対応しているわけですね。
一方、蝸牛頂側の基底膜に乗った聴細胞について考えてみましょう。
この領域では20Hzの低音が認識されます。
つまり、感覚毛がおおい膜に触れて変形してからもとの形に戻るという動作が、1秒間に20回しか起こらないということですね。
そのため、この領域の感覚毛は弾力性をあまり必要としません。
弾力性が低い感覚毛は、低振動数(低音)に対応しているのですね。
聴細胞の振動を確実に興奮へ変換するために、感覚毛の弾力性は基底膜の各領域で異なっているということです。
ちなみに、年を取ると、蚊の羽音のような高振動数の音が聴こえにくくなります。
これは、老化によって聴細胞の感覚毛の弾力性が失われるためです。
卵円窓側の基底膜上にある聴細胞の感覚毛は弾力性が強いことが特徴でしたね。
この感覚毛の弾力性が失われてくると、高音の振動数に応じた興奮を生じさせることができなくなるのです。
高音を聴くためには、感覚毛の弾力性が重要であるということですね。
音の高低を認識するためには基底膜と聴細胞が重要です。
それぞれの性質をしっかりおさえましょう。
音の高低の認識について見ていきましょう。