高校生物
5分でわかる!前庭
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この動画の要点まとめ
ポイント
前庭
これでわかる!
ポイントの解説授業
前庭は、体の重力方向とその変化を認識する平衡器です。
体の傾きを認識する器官だということですね。
前庭はどのような構造をしているのでしょうか?
耳石が感覚細胞の感覚毛の上に乗っている
次の図を見てください。
これは前庭の内部構造です。
下部に見られる紐状のつくりは、前庭神経です。
それぞれの前庭神経は感覚細胞につながっています。
図では、感覚細胞が小さな粒で描かれています。
感覚細胞からは感覚毛という毛が生えています。
感覚毛はゼリー状の粘膜に埋もれていることが特徴です。
さらにゼリーの上には、耳石(平衡石) とよばれる石がのっています。
ちなみに、耳石の成分は、炭酸カルシウムです。
重力方向とその変化をどのように認識するのか、詳しく見ていきましょう。
感覚毛の変形が刺激となって体の傾きを認識
体が直立しているとき、前庭は水平になり感覚毛は垂直方向を向いています。
しかし、**体が傾くことで耳石が動き、感覚毛が傾く(変形する) **ことによって重力方向とその変化を認識しているのです。
次の図を見てください。
これは、体が傾いたヒトと、そのヒトの前庭です。
体が傾くと、前庭もそれに応じて傾きます。
そして、耳石が滑るように移動するのです。
図では、耳石が右斜め下へ移動しています。
すると、耳石の移動に応じて感覚細胞の感覚毛も傾きます。
図でも、感覚毛が耳石と同じ方向へ倒れ、形状が変わっていますね。
感覚毛が変形すると、その刺激が神経の興奮として前庭神経へ伝えられます。
この興奮は最終的に脳へ伝わり、体の傾きが認識されるのです。
体が傾くと、それに応じて耳石(平衡石)が移動することがポイントです。
耳石の移動方向に基づいて感覚毛が傾き、その刺激によって最終的に重力方向とその変化が認識されるのですね。
前庭の構造と、どのように体の傾きが認識されるのか、をしっかりおさえましょう。
平衡器のうち、前庭を詳しく見ていきましょう。