5分でわかる!半規管
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この動画の要点まとめ
ポイント
半規管は、体の回転方向とその速度を認識する平衡器です。
半規管は内耳のうずまき管に付随する前庭の上に位置し、3つのループ状の管からなっています。
3つの半器官からなっているため、三半規管ともよばれます。
なぜ半規管は3つあるのでしょうか?
実は、それぞれの管は3種類の別の方向の回転を認識しているのです。
3つの管はそれぞれ、水平回転・前後回転・側転を認識しています。
半規管のうち1つの管に注目し、構造を詳しく見てみましょう。
感覚毛はクプラにおおわれている
半規管の中はリンパ液で満たされています。
下のほうには、丸みを帯びたつくりがありますね。
これを拡大したものが、次の図です。
図中のクプラは、感覚毛を包んでいるゼリー状の突起です。
つまり、前庭神経の先にある感覚細胞から伸びた感覚毛が、クプラにおおわれていることになります。
では、半規管はどのように体の回転を認識するのでしょうか?
感覚毛の傾きが脳へ伝わり回転方向を認識
体が直立しているとき、感覚毛やクプラは垂直方向を向いています。
半規管が時計回りに回転した場合について考えてみましょう。
体が回転するとクプラも傾くことが次の図からわかりますね。
ここで図をよく見ると、体が時計回りに回転するとき、クプラは反時計回りの方向へ傾いていますね。
なぜ、クプラは体の回転方向と逆の方向へ傾くのでしょうか?
半規管の中にはリンパ液が満たされていましたね。
体が回転しても、リンパ液は同じ場所に留まろうとします。
そのため、クプラは常にリンパ液にぶつかりながら回転することになります。
よってクプラは体の回転方向と逆の方向へ傾くのです。
クプラが傾くと、それにともなって感覚毛も傾き(変形し)ます。
感覚毛が傾くと、その刺激が神経の興奮として前庭神経へ伝えられます。
この神経の興奮は最終的に脳へ伝わり、体の回転方向が認識されるのです。
体の回転の方向と、クプラや感覚毛の傾く方向は逆になることがポイントです。
また、半規管は感覚毛の傾く程度から、体の回転方向だけでなく回転速度も認識しています。
半規管の構造と、どのように体の回転とその速度を認識するのかをしっかりおさえましょう。
平衡器のうち、半規管を詳しく見ていきましょう。